23日、ゲーツ国防長官はワシントンDCの米国防大学で開催された「NATO戦略コンセプトセミナー」でNATO関係国の代表者を前にスピーチし、NATOが資金不足に見舞われ、その背景にNATOを取り巻く環境の変化への理解不足があることを訴えました。
●資金不足について
過去10年間にわたり、この西側安全保障ブロックは数百億円単位の予算危機にある。これはNATO資金の問題だけではない。冷戦後、NATOや国防予算は減少を続けている。NATOがその域外で5年にも渡り戦い続けている中においてである。
我々は曲がり角に来ている。欧州大陸の多くが異なる方向に行きすぎている。欧州の武装解除だ。国民や政治家の多くが軍事力に反対であり、そこにはリスクがついて回っている。20世紀には軍事力への理解があったが、いまや安全保障達成や21世紀の永続平和への障害にまでなっている。
●NATOのコンセプト見直し
1999年に作成されたNATOのコンセプトペーパーでは破綻国家から生じる脅威は理論的なものであったが、911事案でそれが現実もののとなったのだ。
欧州の政治や文化の状況が、いまNATO憲章5条の信頼性に疑問を呈している。NATOはいまも危機に対処するため、真剣で大きく迅速な改革を迫られている。(新しい)戦略コンセプトが作戦と機構改革に繋がらなければ新鮮戦略コンセプトの意味がない。
オランダ連立政権がアフガン派兵延長問題で崩壊したこと受けた深刻な叫びです。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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