65年前の2月19日、米軍が日本領土に最初に上陸した日。つまり予想を遙かに上回る36日間の激闘・硫黄島侵攻作戦が開始された日です。19日、ワシントン近郊の海兵隊博物館で65周年を記念する式典が開催され、コンウェイ海兵隊司令官やジョーンズ安全保障担当大統領補佐官(元海兵隊大将)ほか、戦いに参加した老兵が参加しました。
海兵隊司令官は硫黄島の戦いを・・・
●もっとも悲惨な、又はもっとも長期間の戦いでもなく、もっとも成功した戦いでもない。しかしもっとも我々の心に残る戦いである。
●イラクのファルージャ作戦の前にある兵士が私に尋ねた、この作戦は成功するかと。私は答えた、もちろん、海兵隊は硫黄島でも勝利したではないかと。
●殺すか殺されるかの戦いであった。硫黄島守備隊の日本軍中佐は米軍を「奴らは無慈悲だ。人を虫けらのように殺す」と表現している。
ジョーンズ大統領補佐官は・・
●アフガンでタリバンと戦う我々の後輩のことを忘れないでほしい。彼らは皆さんの犠牲の精神から学んでいる。
当時16歳で戦いに参加した元兵士は・・・
●硫黄島の戦いは大変だったが、少なくともこの一点ではアフガンより硫黄島は簡単だった。それは誰が敵かが明らかだったことである。
同じ19日、ワシントンDCのホテルで、シンクタンクCNASの軍幹部教育に関するレポート「Keeping the Edge: Revitalizing America’s Military Officer Corps」の発表会が行われ、統合作戦軍(JFC: Joint Forces Command)のマッテス司令官(海兵隊大将Gen. James N. Mattis)が講演しました。JFCは米軍全体のドクトリンを策定し、教育訓練し、それを反映した実戦の教訓を分析する役割を担っています。
講演でマッテス司令官は・・・
●今日の米軍上級幹部の主要な欠点は、反省に基づく思考の機会が欠けている欠けている点である。
●今求められているのは、電子チップが故障したり文明の上塗りがはがれた時に、画一的でない柔軟な思考が出来る幹部である。
●世界をありのままに捕らえ、不安定さと反駁する世情の中でも平然とし、目を背けたくなる戦いの本質と人間の欲望と向き合える幹部である。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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