4日から8日までの間に、トルコ、イタリア、フランスと歴訪したゲーツ国防長官ですが、ローマで米FOXテレビの番組に出演し、各種国際情勢についてコメントしています。
●アフガニスタン情勢
マクリスタル司令官が述べたように情勢は依然として厳しいが、もはや悪化し続けている状況ではない。増強された海兵隊が展開した地域(へルマンド州)では、その影響がよい方向に出始めている。
それは目には見えないが、その地域だけでなく、アフガニスタン全体に自信と希望を与え始めている。マクリスタル司令官の試みが実を結びつつある小さなサインがある。しかし依然として、この先激しい戦いの日が幾日かは待っている。
タリバンの勢力が弱まったとき、帰属意識の低いタリバンが武器を捨て、アフガン社会に戻るだろう。その際、タリバンから裏切り者として仕返しを受けることのないよう、本人や家族を守れなければならない。そしてその鍵は、アフガン政府が行う和解への取り組みであり、アフガン憲法に基づいた行動であるである。
●パキスタンの姿勢
2年前に、パキスタンがアフガンとの国境地帯で掃討作戦を行うことなど誰が想像できたであろう。これは奇跡とも言えることである。米国は常に、更なる作戦の実施を求めている。しかし、彼らは彼らのやり方で行う。我は可能な限り支援をする立場である。
先月パキスタンを訪問して先方に述べたのは、「我々は同じ車両に乗っている。しかし貴方が運転席に座っているのであり、アクセルペダルに足をかけているのも貴方だ」ということである。率直に述べると、私はパキスタンが素晴らしい仕事をやっている、と感じている。
●イランの核開発
イランからのシグナルは引き続き落胆させられる物である。我々は再び圧力の道に戻り、国際社会の支援を得てイランが政策を変更するような制裁に向かう。
今回の3ヶ国歴訪ですが、イタリアのみ具体的成果らしきアフガンへの増派数確認発表があったのですが、トルコとフランスについては、他の話題も含め全く概要が公表されていません。サルコジ仏大統領との2ショット写真もありません。写真はエリゼ宮の前でひとり寂しく会見するゲーツ長官です。
(付録)
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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