C-27Jは、米空軍がアフガニスタンでの局地輸送用に新たに調達する小型の輸送機です。2010年度予算に、空軍輸送用として38機が計上されています。
「50マイルの空輸ではなく、最後の数マイルの輸送能力を与えてくれるもの」と軍幹部が表現するように、前線部隊への物資補給を目的に考えられており、アフガニスタンの整備が十分でない滑走路や飛行場での離着陸が念頭にあるようです。地上輸送部隊がしばしば「待ち受け攻撃」を受けていることから、その被害局限のためにも現場ニーズが高いようです。
元々、Joint Cargo Aircraftプログラムにより、陸軍と空軍の輸送用、更に空軍攻撃用(AC-130のイメージ)が計画されていたようですが、厳しい予算状況から10年度は空軍輸送用だけが要求されています。ただし、12月15日付米空軍HP記事では、関係幹部による「最終的には78機が調達されるだろう」とのコメントを掲載しています。
運用は州空軍が行い、州空軍がアフガンに展開することになります。
搭載量 全長 全幅 高さ 航続距離
C-27J 11t 22m 28m 9m 2300nm
C-130 20t 30m 40m 11m 2360nm
上記の数字が示すように、機体は世界のベストセラー輸送機C-130より一回り小振りです。
積載物を乗せるパレットが、C-130や端末空輸用ヘリと共用でき、迅速に荷物の積み替えが可能である等の配慮もあるようです。
12月9日、ジョージア州のロビンス空軍基地で同機訓練学校建物の開所式が行われています。9月に既に2機の訓練用機が搬入され、今後フライト・シュミレーターやロードマスター訓練用設備も整備される予定です。
いずれにしても、米軍のアフガニスタン・シフトは厳しい予算の中にあっても勢いを増しつつあります。
全く別の話ですが、在韓米軍司令官のシャープ大将(Walter Sharp)の発言が、再び米国防省HPのフロントページに登場しました。発言の中身は「家族帯同での長期勤務が可能なように施設整備に努力し、家族帯同者を3倍にする。韓国は米国民のイメージとは異なり、近代的な住みやすいところ。子弟教育用の学校のレベルも高い」で以前のものと同様ですが、米軍人に人気がないんでしょうか?? 話のレベルとHP出現頻度のアンバランスが気になります。
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