15日夜9時からのNHKスペシャル「リーマン予想・天才たちの戦い」は素晴らしかった。完全に打ちのめされました。人間が近づけそうで近づけない領域がそこにあることを思い知らされた気がしました。
Holylandは文系で、正直細部はわかりませんでしたが・・・知りませんでした。大自然の神秘に迫る数学があることを・・・
数学の難問のを紹介しようとするNHKスペシャルの挑戦にも完全に脱帽しました。問題の理解自体が困難なテーマなのに・・。視聴者を逃がさない程度に、問題の本質を説明しようとする態度に感心しました。何回も何回もやり直ししたんでしょうね・・。
でも聞けば聞くほど「人類最大の挑戦」との説明に納得させられました。素数と円周率の数奇な関係・・背筋が伸びました。
数学史上最難関の難問と恐れられ、今年問題発表からちょうど150年を迎えたのが「リーマン予想」です。
数学の世界の最も基本的な数「素数」。数学界最大の謎となっているのが、2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・と「一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が、どのような規則で現れるか」なのです。
数学者たちは、素数の並びの背後に「何か特別な意味や調和が有るはずだ」と考えて来ました。「リーマン予想」は、素数の規則の解明のための最大の鍵です。最近の研究では、素数の規則が明らかにされれば、宇宙を司る全ての物理法則が自ずと明らかになるかもしれないと言われています。
一方、この「リーマン予想」が解かれれば私たちの社会がとんでもない影響を受ける危険があることはあまり知られていない。クレジットカード番号や口座番号を暗号化する通信の安全性は、「素数の規則が明らかにならない事」を前提に構築されてきたからです。
大天才オイラーに始まり、リーマンの挑戦、ノーベル賞受賞者が精神を病む(写真左)ほどの難問、タブーの問題として扱われた年月、物理学者と数学者のお茶会での偶然の出会い、素数と原子核エネルギーの共通性、3度の証明失敗を経てなおも証明に挑む孤高の大数学者(写真右)、でも証明されると現代の暗号システムが無効になるかもしれない・・との解説・・
すべてが何か・・人間の存在を小さく小さく見せてくれる・・日曜日の夜にちょっと重いけど、ほかの曜日には当てはまらない、素晴らしい番組でした。
ある数学者はこの問題を「もし、明日1000桁の数の素因数分解の画期的方法が発見されたならば、現在のネットワーク社会はその根底から一瞬にして崩壊する。本連載で繰り返し述べてきたことであるが、現在のIT技術の根幹は数学によって支えられている。もちろん当分の間、そのような方法は見つからないと考えられている。数の硬さは素数判定や素因数分解の困難さのことである。素数とは気高い孤高の数であり他を簡単には寄せ付けない。たかだか数千年の文明しかもたない人類など足下にも及ばない存在なのだ。」と述べています。恐るべし素数・・。
(付録)
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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