2日間の滞在中ゲーツ長官は、「静かだが決意に満ちた男」(byスコークロフト元安全保障担当大統領補佐官)との表現そのまま、つまり従来の姿勢を全く変えることなく、淡々と日本の首脳陣と会談しました。
日本での発言は細かくフォローしません。なぜならこれまでの発言と同じだからです。米国防省HPも言ってます「今回の訪問は、アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアログ)でのメッセージを補強する」と・・直接的にはアフガン支援の重要性を指していますが、それだけではないと思います。決意の人ですから・・・。
●5月13日:シャングリラダイアログ(アジア安全保障会議)での発言
日本と韓国は、自ら防衛任務を担えるよう取り組んでいる。その結果として、米国と両国はパトロンではなく、パートナーとしてより適当であるように調整を続けてきた。しかし、依然として、パートナーとして完全に準備し、全ての、くり返すが、同盟国としての全ての義務を果たすことができるパートナーでなければならない。
●日本へ向かう機中での記者会見(冒頭発言)
日本がレビューすることはかまわない。しかし、我々は協議した合意に基づき進む必要がある。15年間もかけて協議したものである。合意の全ての要素は組合わさったもの(interlocking)である。だからそのまま続けることが重要だ。
上記の機内会見ですが、質疑のほとんどはアフガニスタン問題でした。ゲーツ長官の発言量で測ると9割がアフガニスタン関連、記者の質問数では8割がアフガンでした。報道官が記者に日本での論点を解説している有様です。(米国防省HPの会見transcriptより)
アフガンに関しては、日本の資金援助等が高く評価されています。モレル報道官発言ですが、●01年に約束した約2000億円の内、既に1800億円は遂行されている。●その内120億円はアフガン国家警察の6ヶ月分の給与として使用された。●08年に約束された追加資金の内、300億円が今回のアフガン選挙に活用されている。●アフガン警察の訓練にも貢献している。このように非常に多様な面で日本は貢献している、・・と持ち上げてくれています。
余談ですが21日午後、お金が出せない韓国に対し、米韓兵士を前に「過去のベトナムやイラクへの派兵は、米国のための様に感じられる。しかし今や、韓国が世界的に活動することは朝鮮半島防衛の義務と一体である。共に行こう(We go together)」、つまりアフガンに派兵せよ、です。厳しいです。当然国防費の増額も要求しています。いつか日本にもこんな直接的な言葉が浴びせられるのでしょうか・・・
(付録)QDR対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
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