13日、ゲーツ国防長官はペルーのリマに向かう機中で同行記者団のインタビュー(写真)に答え、大統領が追い出されて暫定政権が誕生したキルギスタン国内にあるアフガン戦略の補給拠点マナス基地の今後について語りました。
なおゲーツ長官のインタビューによれば、昨年キルギスタンは、米軍のマナス国際空港使用をこれ以上認めないと脅しを賭け、最終的に使用料を3倍にすることで使用を認めたとのことです。
ゲーツ長官は・・・(写真は同基地での両国軍共同立入チェックの模様)
●これまで私が見聞きした情報全てが、(暫定政権側に)両国間の合意に基づいて継続的にマナス空港を米国に使用させる意志があることを示している。
●昨年、基地使用の覚書き見直の際に、米国は多くの代替手段を検討した。仮にキルギスとの合意が崩れても、米国は他にアフガン派遣部隊への補給オプションを持っている。私は細部に触れたくないが、使用可能な他の施設がある。
●代替手段に頼る必要がないことを希望する。なぜなら代替手段は高価であり、兵站上より困難だからである。
更にゲーツ長官は・・・
●開通した北部補給ネットワーク(NDN:northern distribution network)とパキスタンルートによりアフガン作戦の大部分の兵站支援をまかなっている。北部補給ネットワークを通って1万個以上のコンテナが輸送されている。
※北部補給ネットワークNDNとは、Latvia, Azerbaijan, Georgia, Kazakhstan, Russia, Tajikistan, and Uzbekistanで構成されるアフガン支援輸送ネットワークのこと。
キルギスタン暫定政権のリーダーは、Roza Otunbayevaなる59才の女性です。
冷戦下のモスクワ州立大学で教育を受け、外交官として在米と在英の大使を努め、一時は前政権の外相として名前が挙がりましたが、前大統領との「そり」が悪く野党に移った人物です。英語が堪能で、一般には偏向のない人物と見られています。必ずしもロシアとは良好とは言えないとか・・。暫定政権関係者の中に同女史以外に指導力を発揮する人物は見あたらないようです。
代替手段があったとしてもキルギスがごねれば困ったことになるのでしょう。「代替はあるよ」と一応強がってみせ、相手に隙を与えない「ジャブで様子見」発言と見ました。
(追伸)
茂田大使の「国際情報センター」にキルギス情勢に関する専門的分析があります。
→http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/35081027.html
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