先日もご紹介したように、今週米国防省は南米カリブモードです。第1弾として12日、ゲーツ長官はペンタゴンにブラジル国防大臣ジョビム氏を迎え、国防協力協定に署名しました。
同協定には、研究開発、兵站支援、技術安全保障、軍需装備品取得、情報交換(作戦経験、教育訓練、共同演習、国防技術、PKOノウハウ)等々の関係強化が唱われています。
最近では、ブラジルがハイチのPKOに6年間継続関与し、大地震対処にも米国のパートナーとして活動しているところだそうです。
しかしこれだけではなさそうです・・・
ブラジル空軍はF-5に変わる戦闘機36機の機種選定を進めており、これが泥沼化しているところです。候補機は仏のラファール(左)、スウェーデンのグリペン(右)、米のFA-18スーパーホーネットです。
空軍側は、「価格面と整備性の良さ」からグリペンを強力に推進していますが、政治レベルに格上げされた時点で「国内産業発展と技術移転」や外交関係が重視事項になり、全面開示を打ち出した仏ラファールがブラジル大統領のお気に入りといわれています。09年にはブラジルは仏と、ヘリ50機と5隻の潜水艦の契約をまとめたばかりで、勢いをかってサルコジ大統領自らが初のラファール輸出に向けて乗り出しているところです。
空軍関係者に働きかけがあるのか、ブラジル国内では検察が乗り出し「経済原則」に反する場合には、国民からの要望を受け捜査を開始するとメディアに述べるまでに至っています。
そこで黙っていられないのが米国。3月に訪問したクリントン国務長官がFA-18を売り込んだとも伝えられ、今回の会談が注目されているところでした。米国防省HPは「どの戦闘機を購入するか決定したかと問われ、ジョビム国防大臣は5月末までに(大統領に)推薦を行うと語った」と伝えています。最終発表はこれまで何度も延長されており、何時決まるのか全く見えていません。とりあえずイースター終了後だそうです。
もともと、ゲーツ長官がブラジルを訪問する予定であったのが、ブラジル側が核セキュリティーサミットに併せて来訪する事になる等、何か裏がありそうな臭いですが、戦闘機の選定はどこがやっても揉めますね・・・。
ブラジル空軍のトップはなんと日系2世のサイトウ・ジュンイチ中将です。ご両親とも日本人なので血は完全に日本人です。頑張っていただきたいものです。
(付録)
「なぜ空自にステルス機?」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-26-1
「(Ver.2)QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1
「QDRから日本は何を読みとるべきか(Ver.1)」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「米の対中国新作戦は「Joint Air-Sea Battle」」)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
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