(質疑応答)シャングリラ・ダイアログ演説

↓↓↓ 2011年のシャングリラ・ダイアログ関連記事は ↓↓↓
「米国の姿勢:シャングリラ2011」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
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gatesSHGsp2.jpg5日午前中に行われたゲーツ国防長官のスピーチ後に、質疑応答もON-RECORDで実施され、やりとりがIISSのサイトに掲載されましたので、Holylandの興味のある範囲でご紹介します。実際の質問順序とは異なりますのでその点もご留意を・・・
昨年に引き続きA新聞のKY編集委員が真っ先に手を挙げて質問していますが、内容が三田佳子の放蕩息子がクスリに溺れておきながら社会が悪い、と斜に構えて吠えているような中身で、かつ他の参加者からも浮いているので省略します)
●米中軍事交流中断等について(中国国防大学のZhu Chenghu少将)
C 質問の前にコメントしておきたい。中米軍事交流の中断を中国政府や中国軍の責任にするのはフェアでない。中国は米国の国益を害したことはないが、米の台湾への武器輸出は中国の国益を害した。中国が米をパートナーとして扱っているのに、米は中国を敵と見なしているではないか。大部分の中国人民は、米国が中国の統一を妨害していると感じている。米側の先ほどのような反応(ゲーツ長官の演説)は理解しかねる。
gatesSHGspeech.jpgQ 誰の仕業かで議論されている韓国海軍沈没事件とイスラエル軍による地中海での事案への米国の対応姿勢が大きく異なっているように見えるがどういう事なのか? 
A1 まず最初に、米国は中国を敵とは見なしておらず、多様な分野でパートナーと見なしている。益々拡大する多様な分野で協力関係が発展しているのに、軍事サイドの進展だけが遅れていることをが際だっている。あとはスピーチで述べたとおりである。
A2 韓国艦艇対する攻撃は、何の事前警告もなく46名もの命を奪った。地中海での事案は調査が行われており細部について判断は出来ない段階であるが、船舶に対して何回かの事前警告が有ったようだ。調査が終わるまで断定的なことは言えないが、両事案を比較する意味がない
LeeKuanYew.JPG●米中の経済について(リー・クァンユー元シンガポール首相)
Q 冷戦時代の米ソの間には経済面で圧倒的な差が有り、それが米国の勝利の要因の一つだったが、中国には明るい見通しがある一方で、米国経済の将来には現在悲観的な見方が広がっている。この傾向が続けば、米ソ時代との比較で話が出来ないのでは。
A 私は永遠なる楽観主義者であり、(かつて社会科教師を目指した)歴史家としても、米国が悲観的な見通しをくつがえし、自ら修正を図って立ち直った歴史を語ることが出来る。米国は、私の見方によれば、疑問の余地がないくらい世界で一番自らに厳しい社会を持っている。経済の回復も見え始めている。
私の立場としては、我々の税金をより賢明な方向に投資して経済に復興をサポートする所存である。
Holylandコメント:何かジョークのようにも聞こえますが、どのような声のトーンだったのか・・・真面目に答えるあたりがゲーツ長官です。質問者が大物ですから。)
Shangri-laBN.jpg●北朝鮮への対応について(IISS評議会議長)
Q 北朝鮮への対応について、国連安保理への提議と韓国との軍事演習で対応すると明確にしたが、更なるオプションを見据えているような表現(tease us a little)もあった。更なるオプションについてこの場で少し説明してもらえないか。
A I would prefer just to tease you. (訳が難しいですが・・・)貴方を少し悩ませる程度にとどめておくことにします。
●その他、「情報共有を進める」とのゲーツ長官のスピーチに関する「どのように?」の質問や香港の放送関係者から「82年には台湾への武器売却を減らすといったではないか」との質問が出されています。回答は「79年以来、米国は最低限レベルの防衛力を台湾に提供する、との方針に変化はない」です。
加藤洋一.jpgKY編集委員の質問に興味のある奇特な方は
こちら→http://www.iiss.org/conferences/the-shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2010/plenary-session-speeches/first-plenary-session/robert-gates/qa/
(関連記事)
「(その3)シャングリラ・ダイアログ演説」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
「(その2)シャングリラ・ダイアログに向けて」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-03

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