ボーイスカウトの思い出と精神を

ウォール街からワシントンDC、私の故郷に至るまで、人の暮らしがある場所なら何処にでも、富や権力のみを求め、何が正しく、真実で、誠実かを考えない人達がいる。しかし、ここにいる君たちやご両親、地域のリーダーやボーイスカウトの指導者は、日々それらとは異なった姿を見せてくれている
gatesBS4.jpg28日ゲーツ長官は、全米から集まった4万5千人のボーイスカウトとその家族に向け、自らの原点と語るボーイスカウト活動を振り返ると共に、その精神の継承により「良い人間(good man)」になるよう、また「社会に貢献する(public service)」事の大切さを学ぶよう語りかけました
ゲーツ長官のスピーチをこれまで幾つかご紹介してきました。軍や国防省の改革を訴えるスピーチは本ブログのメインですが、大学生や高校生など若者に話しかける内容はゲーツ長官の生い立ちや人物が現れていて興味深く、個人的な楽しみとして自動配信されてくるモノをipodで聞いております。
ゲーツ長官はスピーチの中で(記事スピーチ)・・・
  
冒頭のジョーク
●私はボーイスカウト活動をしていた父に連れられ活動を始め、その素晴らしさを息子にも伝えました。家族全体の生活にスカウト活動がありました。しかし私の仕事上、我が家族のスカウト活動には特別なこともありました。例えば、CIA長官在任中に「父と息子のキャンプ」活動に参加した時です。
●チェサピーク湾の畔で、自然の中での生活を体験するハズが少し違ってしまったのです。なぜなら、我々のキャンプ地から100mあまりの場所に、3台の黒い大型車両と衛星通信用の大きなアンテナ、更に大勢の武装警備員が周辺をうろつく状態だったからです(笑)。
gatesBS1.jpg(ゲーツ長官とEagle Badge)
●私は52年前、15歳の高校生でボーイスカウトの「Eagle Scout」の資格を得ました。オールAの成績優秀者ではなく、優秀なスポーツ選手でもなく、各種学校活動のリーダーでもなかった私にとって、自分が初めて目標を定めて自分の努力で獲得したもので、自分に大きな自信を与えてくれました。
●22才でCIAに採用され、身の回りのものを車に積み込み、誰一人知り合いのないワシントンDCに出てきた時、私を唯一支えてくれたのは、「Eagle Badge」を取得できた自信と自分にも努力する能力があるという微かな自覚でした。
●今も思い出します。当時60才のラムさんが私達10人ほどの少年を連れて山々を歩き、自然や仲間と助け合う事の大切さを教えてくれたことを。またベケットさんが、乾いた雌牛の糞を燃料に料理する方法を教えてくれたこと・・・そしてその独特の臭い(爆笑)
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ボーイスカウト活動に取り組む少年達にとって、「Eagle Scout」は最高ランクの資格だそうです。(写真はEagle Scoutのバッジ等)
gatesES.jpgネット情報によると、ボーイスカウト活動に取り組む少年の僅か2%しかEagleの資格を獲得できないそうで、相当に多くの段階資格を取得し、かつリーダーとしての働きをしないと得られないものだそうです。1911年に「Eagle Scout」の制度が出来て以来、200万人が同資格を得たそうですが、裾野が広いためかなりの狭き門のようです。
歴代大統領ではフォード大統領のみ、宇宙飛行士には40人いるそうです。実業界ではマリオットホテルの現CEO、WALLマート創業者など、ショウビジネス界では映画のスピルバーグ監督が、ニューヨーク市長でブルームバーグ創業者のブルームバーグ氏も・・・
スポーツ界では日本人に馴染みのある名前は見あたりません。しかし・・・前国防長官のラムズフェルド氏も入ってます。
「米国の多くの若者がカウチ・ポテトに陥って身体的フィットネスを失い、社会全体のモラルが恥ずべき状況にゆるんで来ている状況で、ボーイスカウトは少年や若者をリーダーに育てる挑戦を継続している」とゲーツ長官は讃えています。
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ゲーツ長官の若者へのスピーチシリーズ
士官候補生への講演
「海軍士官候補生には・・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09
「士官候補生に語るシリーズ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-10
「空軍士官候補生に厳しく語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-06
大学生・高校生卒業式での講演
「CIAでの失敗を高校で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22

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