MDランチャーに攻撃兵器を

DARPA.JPG装備化が決定したわけではありませんが、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency:国防高等技術研究庁)が米海軍艦艇が装備する7800もの垂直発射装置(VLS:Vertical Launch System)にPGS(Pronmt Global Strike)兵器を搭載する研究を開始しています。
7月8日付 Defense Techの記事Loading Prompt Global Strike in VLS Cells Will Transform U.S. Naval Power」より
●高齢のトマホーク巡航ミサイルが強固な防空網の前に脆弱さを増す中で、海軍関係者は海軍水上艦艇が持つ約7800のVLSを、対艦や対陸上目標攻撃用に交換できないかと考えてきた。そんな中、DARPAの頭脳がVSLにPGS任務を託すことを狙っている。
VLS-Launch.jpg●DARPAの「アークライト計画(ArcLight program)」は、SM-3ミサイルブースターに超超音速グライダーを組み合わせ、Mark 41 VLSから発射させようとするプロジェクトである。その射程は2000nm以上で、100-200ポンドのペイロードがある。
●アークライトは、時間的余裕のない目標を遠距離から高速で攻撃する兵器で、艦艇や潜水艦、海空の航空機からも発射可能な兵器を目指している。
アークライトは、PGS推進派にとっても朗報だ。なぜなら、これまでのPGS構想は通常弾頭の弾道弾を想定していたため、「PGSは核ICBMと誤解される可能性がある」と議会が懸念していたからだ。アークライト計画は、滞りがちなPGSの予算獲得を明るくするだろう。
●この開発は、2009年にCSBA研究員から海軍次官に就任したRobert Work氏の長年暖めてきた構想と一致する。なお、メイバス海軍長官が現在油田事故対処に専従しているため、WORK氏が今実態上の海軍長官である。
●しかしなんと言っても・・・・・、旧来のミサイル防衛用駆逐艦や防空用巡洋艦が攻撃的なPGSプラットフォームにシフトする様は、艦艇勤務者から潜在敵対者まで全員に「発想の転換」を迫るモノであろう。正に水上・水中プラットフォームの性格を一変する転換となろう。(以上が記事概要)
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アークライト計画がどの程度の開発段階にあるのか、記事は触れていません。またDARPAのwebサイトも、具体的な完成時期に言及していません。
HTV2.jpgPGS関連の他の兵器候補は、オーロラ計画のHTV-2が4月下旬に試験に失敗し、スクラムジェットのX-51Aも初期実験段階です。アークライトだけが飛び抜けて進捗しているとは考えにくいですが、今後に注目です。
「Defense Tech」の当該記事への書き込みが急増しており、期待の高さを伺わせます。
それにしても・・・全般にAir-Sea Battleでは海軍アセットが優勢ですね・・・・。米空軍の士気はいかなる具合でしょうか・・・・。
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