ミサイル防衛も競争入札で

oreilly.jpg17日、ミサイル防衛庁長官のオライリー陸軍中将が国防問題ライターの朝食会でミサイル防衛関連の状況について語りました。
話題は広範で、タイトルの経費削減策や、イランや世界のミサイル開発状況、2月に出た初のBMDRへの取り組み、ロシアとの話などにも及んでいます。
朝食会での話の概要を米国防省HP記事より・・・
参考:「BMDRの優先事項」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-03
BMDRの具現化への取り組み
●BMDRで述べているように、第一の優先は米本土の防衛であり、次に他地域の防衛強化である。3つ目がミサイル防衛システム購入前の厳正な能力評価であり、これにより財政的にも継続可能な防衛システム構築が可能になる。
最後が国際的な能力向上である。言葉を換えれば、同盟国の力を頼りにし、それをテコにして能力向上をはかることである。またこの際の優先は、我が予算は最先端の開発や技術的優先事項に振り向けることである。
thumb_090730.jpg長距離弾道ミサイルへの対処
長距離弾道ミサイルが米国に対する最大の脅威である。我々は情報機関と協力し、どの国が中・長距離弾道ミサイルを開発しているのか注視し予想している。
●我々は地下工場での活動が活発化していることを確認している。洞窟での組み立てや発射機のカモフラージュなども、我々の進度分析を困難にしている。
●スカッドミサイルの拡散に注目している。現在世界には、米露中NATO以外の国に約6000発のミサイルが存在している。
●米国はそれらを含めた開発や試験に伴う多くの失敗を目撃しているが、安心はしていない。米国も60年代にはミサイルで多くの失敗をし、90年代にはミサイル防衛で多くの失敗をしたのだから。
●歴史は示している。彼らが努力を継続すれば、いつかは成功する。また歴史は、いつ成功するかを予想することが以下に困難かを示している。
イランからの脅威について
IranSalvo2.JPG●イランが1~5発程度のミサイルを同時に発射してきたとしたら、米国は対処する能力を持っていると思う。しかし彼らは10発同時に発射するようになるに違いない。これは脅威である。
●イランはしかし、大気圏外からの再突入技術を確立していない。再突入時の弾頭の生き残りはおろか、正確に大気圏に投入させる技術が十分でない。(写真はイランの演習BMDRより)
参考:「イランのICBM」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-12
ロシアとの関係
●米露は共同でミサイル脅威の分析を継続している。しかし全体にはまだまだ交流の初期段階である。
●また米露間で、相互の施設等へのアクセスを解放し、ミサイル防衛への相互理解を図ろうと協議をしている。しばらくロシアから返事がなかったが、最近THAADシステムの試験への招待を受けるとの返事をもらった。
無人機の活用
predator.jpg米空軍と協力し、ミサイル迎撃のため、適時適切な場所に無人機を配置する事を目的に検討を続けている。無人機の利点はまずその長時間滞空性である。そして次にそのセンサーの能力が上げられる。
●このセンサーの能力には衝撃を受けた。1000km離れた場所から、ミサイルを良好に追尾できるのである。
プレデターPredatorで試験飛行を行っているが、発展型のセンサーとのコンビはファンタスティックな能力を提供してくれるであろう。翼搭載のセンサーが出来れば、どの無人機もMDに活用できるようになる。
ミサイル防衛のコスト削減
ミサイル防衛のコスト削減のため、広く競争入札方式の導入を検討している。過去我が組織の契約は多くが1社のみの契約であったが、これを変えた。
●今我々は、SM3 Block 2Bミサイルや新衛星計画、精密宇宙追尾システムを競争入札方式で行っている
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長らくミサイル防衛は話題にしませんでしたが、いろいろやってるんですね。
競争入札・・日本に何か影響があるんでしょうか

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