イランが最新SAM S-300入手か

S-300Russia.jpg4日付イスラエル英字紙「HAARETZ」が、同日付イラン準国営通信社「Fars news agency」の報道を引用しイランがベラルーシなどを経由して最新の地対空ミサイル(SAM)であるS-300を4セット入手したと伝えました。
かねてよりイスラエルは、イランがこの最新鋭SAMを入手するようなことがあれば、イスラエルはイランへの航空攻撃を考えざるを得ないとの姿勢を示しており、その真偽及び入手経路や運用準備状況の程度に関心が集まっています。
●S-300のインパクト
S-300は西側の主力防空ミサイルであるパトリオットSAMと同等もしくはそれ以上の能力を持つとされるロシア製のSAMで、ロシアがモスクワ周辺に配備しています。
イランはこれまで、米国との関係が良好だった1970年代に米から入手した旧式のHawkミサイルしか防空用に装備しておらず、仮にS-300が配備されれば「イスラエルによる航空作戦は手痛い代償を被るだろう」とHAARETZ紙は述べています。
S-300は複数の目標に複数の迎撃ミサイルを発射できるシステムで、イランの疑惑核施設周辺に配備されるのでは・・と言われています。HAARETZは「4つのミサイルをイランが入手」としていますが、軍事情報サイト「Defense Tech」はミサイル本体だけでなく、発射装置や追尾レーダーを含むシステム4セットと解釈しています。
S-300SAMRussia.jpg●S-300を巡る経緯
2007年にロシアとイランはS-300の売買契約に署名しましたが、本年6月の国連安保理の制裁決議案提出により、ロシアが輸出を停止したと一時は伝えられました
しかしその後ロシアからは、「国連決議はS-300輸出に影響ない」との政府高官発言が伝えられるなど、反駁する複数の情報が飛び交っていました。
国連決議は7月28日に採択されましたが、その後も種々の噂が流れていました。
Lieberman Israel.jpg●米・イスラエルの動き
米とイスラエルはロシアに対し、S-300のイランへの売却を止めるよう働きかけてきたところで、昨年来イスラエル外相(Avigdor Lieberman)がモスクワを訪問して直接売却中止を求めたりしていました。
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本件に関し、4日ベラルーシ政府関係者は「S-300やその部品をイランに売却したことなどない」と全面否定しました。
2008年頃、ベラルーシの余剰装備であった初期型S-300の売買交渉の噂があったようですが、ベラルーシは「国際的な取り決めを遵守している」と主張しています。
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米国がイラクとアフガンに焦点を当てている間に、朝鮮半島(NK不穏)、南シナ海(中国進出)、イラン等々で事態は悪化しているように感じられます。
このS-300報道に関し、米サイト読者間では「信憑性が低い」と見られているようですが、注目されるところです。
なお、中国は誰に反対されることもなく、この最新鋭SAMをロシアから輸入し、北京・上海など主要都市周辺や台湾海峡正面に配備完了しています。(SA-20と呼称されることも・・)
今後2週間くらいは、夏休み期間として毎日更新できないかもしれません・・ご勘弁を

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