23日、ゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長が定例の吉舎会見を行い、冒頭でゲーツ長官から「30機の米軍用F-35契約」を行った旨の発表がありました。会見のトランスクリプトはこちら
このロッキード・マーチン社との契約は、「ロット4」と呼ばれる第4番目の低レベル生産段階の契約で、ゲーツ長官の掲げる国防省業務改革の目玉の一つである「開発コストの過剰分は国防省と企業が折半する」及び「想定価格を下回るコストで生産した場合の見返り提供」を適用した初の大型契約案件となりました。
(F-35関連記事)
「映像:垂直離着陸型」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12
「戦術核を搭載するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
「新責任者は海軍から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-25
「ソフト開発がネック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11
ゲーツ長官は会見冒頭で本件に関し・・・
●「a fixed-price incentive fee contract」の合意に達することが出来た。
●計画を上回るコストが発生した場合には、上限を定めた上で過剰コスト分を国防省と企業で分担して負担する。
●逆に、コストが予想を下回るような企業努力が成された場合には、企業にも応分の報酬が提供される。
●今時の契約で設定された1機あたりの価格は、本年年初に独立機関によって見積もられた価格より15~20%低いモノである。
●国防省は今後も、注意深くかつ精力的に本計画の進展をモニターしていく。
●先週カーター国防次官と共に、軍需産業パートナーや契約専門家向けにガイドラインを発表したように、我々はこのようなタイプの契約が米国の納税者と企業の双方にとっての利益につながると考えている。
「ゲーツの取得改革指針」 http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
またゲーツ長官は、先週発表した「取得開発改革の指針」の進捗具合を確認するため、22日主要な国防省関係高官と10名の戦闘コマンド司令官を集めたミーティングを行ったことを明らかにし、改革を確実に実行するため、今後も定期的に進捗を確認する旨を再度明らかにしています。
「ゲーツ改革のまとめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「ゲーツ長官が国防省と議会にも宣戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
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Podcastで配信される記者会見の模様を聞いていると、ゲーツ国防長官の低い淡々とした声が、ますます「凄み」を増してきたように思います。
記者からは近く出版予定のボブ・ウッドワードの著作「オバマの戦争」に関する質問が多く出されていますが、淡々と「いなす」様子は貫禄です。ジョークも交えながら・・・。
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