米空軍及び関連軍需産業、並びに空軍OB関係者にとっての恒例の一大イベント「Air Force Association Air and Space Conference(空軍協会航空宇宙会議)」が13日に開幕し、開会式でスピーチに立ったドンリー空軍長官は、変化に立ち向かうための「タフな決断」を空軍幹部に迫りました。13日付米国防省HP記事より
思えば昨年のこの会議でゲーツ長官は、戦闘機が足りないと感じる者は旧来思考に取り付かれている、厳しい空軍幹部批判を行ったところですが、本年は現時点でゲーツ長官はスピーカーとして登録されていません。
それでもマレン統合参謀本部議長やカーター国防次官(取得兵站技術担当)がスピーチを予定し、空軍の主要大将はほぼ全員話をします。興味深いところでは、Air-Sea Battle関連のCSBAレポート筆者の一人であるMark Gunzingerも登録されています。合計で40人以上がそれぞれの視点から語る興味深いイベントです。(ドンリー長官は左から2人目)
ドンリー空軍長官はメリーランド州での同会議で・・・
●昨年のこの場で我々は、米空軍が戦略環境、有効な資源、技術進歩の観点から将来に備えた極めて重要な転換点にあることを自覚した。
●新たな必要施策であるミサイル防衛、サイバー、宇宙防衛、老朽航空機の近代化は、予算編成上の大きな課題となっている。ゲーツ長官からは、より少ない資源でより多くに取り組めるよう改革を命ぜられている。
●ここ数年、我々はISR能力拡充のため、他の分野の人員を削り、厳しい予算管理を行ってきた。これらの変革は時に痛みを伴っても行われたが、我々は今後もこれを継続することが新技術獲得に必要なことを理解している。
●調達取得の改革も進めねばならない。我々は良き交渉者であり、企業ビジネスの状況も知り、契約についても承知し、更に産業基盤についても理解した上で、納税者の1ドルを無駄にせぬよう心がけなければならない。
●米空軍の組織や指揮系統をより効率的にすべく取り組んでおり、他の改革と平行して実施する。我々自身にプレッシャーを掛け続け、早急に措置しなければならない。
●兵器や物資のレディネスを向上させるため、現場要求の早期把握処理、補給所の業務改善、供給過程のコストと対応可能性を再検討行っている。
●(Air-Sea Battle Conceptの鍵となる)長距離攻撃能力、迅速なISR、電子戦能力、通信能力等々は極めて重要な能力である。特に長距離攻撃プラットフォームは、これまでだけでなく、将来においても国家の貴重な兵器であり続けなければならない。
●現情勢を考えると、長距離攻撃システムは引き続き核兵器運搬の任務を担うが、我々は主に最も運用上のニーズがある通常兵器のための運用からアプローチしている。我々は既存の技術を使用した自信の持てる調達に焦点を当てている。十分な数量の機数を調達でき、30年使用可能で、大きすぎて高価すぎないようなものを考えている。
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本年の航空宇宙会議は9月13日から15日まで開催されます。会議のWebサイトは・・
→ http://www.afa.org/events/Conference/2010/
ご興味のある方はのぞいて下さい。興味ある発言がありましたらまたご紹介します。(写真は開会のテープカット)
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