7日、インドのアントニー国防相はロシアのセルジュコフ国防相との会談後に会見し、「インドはロシアから250-300機の5世代戦闘機と45機の多用途輸送機を購入する」と発表しました。
なお、固有名詞「5世代戦闘機(FGFA)」は英文記事のFifth Generation Fighter Aircraftを訳した呼称です。
セルジュコフ国防相は
●先に成功したブラモス巡航ミサイルの共同開発成功が、今回のHindustan Aeronautic Ltd (HALインド)とSukhoi Company (露)による10年間に渡る5世代機戦闘機の共同プロジェクトを加速した。
●この5世代戦闘機はロシアがデザインした。価格は固定であり、合意文書の案がインド側に手渡された。インド側がサインすれば実際に両企業が動き出す、と述べました。
露国防相は細部について言及しませんでしたが、1機30トンもの大きな5世代機は80億円以上すると専門家は見ています。
印の軍需生産大臣は
●「現在は5世代戦闘機の初期設計に関する250億円規模の契約についてインド側が検討している段階だ」と述べています。
インドのアントニー国防相の表現が
多少先走りの感はありますが、同国防相が前日に「ある国が我々の統一と団結に脅威となることに熱心である。これらの脅威に対応するため、また警戒を厳にする事の必要性は明白である」と語り、中国への明確な言及を避けたモノの、急激に軍事力を強化する中国への警戒感を露わにした直後であることとタイミングが合っています。
(参考記事)
「印が中国国境にSU-30配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-12-1
なお多用途輸送機については、9月にHALと露のRussia’s United Aircraft Corpが共同プロジェクトに合意していた所のようです。
ロシアはインドへの最大の武器供給国ですが、最近は露製空母の再生納期が守られなかったり、製品価格のつり上げにより両国関係がギクシャクする状況にありました。
これに関しセルジュコフ国防相は「両国間には膨大な取引があり、多少の遅れが一部で発生することもある」と何食わぬ様子です。
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露国防相は最近ワシントンでゲーツ長官と会談したばかり(左写真は9月15日の米ロ軍事交流再開の合意署名)ですが、その時点で既に米側にインドとの接近を告げていたかもしれません。
米としても致し方ないのでしょう・・・。ロシアにはアフガンへの補給物資輸送ルートNDNでお世話になっているし、空輸機の領空通過でも頭が上がらないのかもしれません。
(NDN:Northern Distribution Network関連記事)
「ゲーツ長官キルギスへジャブ」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15
(参考記事)
「米露が軍事交流再開合意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-16
しかしインドが5世代機300機とは頼もしい・・。太平洋方面からと2正面から挟み込めればよいのですが・・・
しかしインドは経済成長まっただ中ですから戦闘機買いに走れるのでしょうかね・・空軍人の夢をのせて・・お気楽お気楽ですね。
ノーベル平和賞の話題と併せ、南西及び西部戦線で中国と盛り上がっていただきましょう。
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戦闘機時代の終焉関連記事
「米空軍F-15続々前線撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-28-1
「デプテューラ去る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-24
「米空軍の戦闘機削減が本格化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-28-1
「米空軍OBが断末魔の叫び」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-05-1
「英国も戦闘機削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-03
「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
「空自OB FXはステルス無しでも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-16
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