「私が推測するに、海軍の潜水艦へ女性士官の乗艦が開始されるように、各軍の特殊部隊にもその方向性が慎重に適用されてゆくだろう。潜水艦の事例から得られる教訓を生かして。」
9月29日、3年ぶりに一般の大学(Duke大学)で卒業式以外の講演を行ったゲーツ長官は、約300人のROTC学生を主な対象としつつも、講堂外にも溢れた計約1800人の学生等聴衆に対し、慎重ながらも米軍におけるの女性の役割拡大について語りました。(写真は講演参加の美人ROTC学生)
昨日紹介した同じ講演の中から、米国防省HPが特だし別記事で伝える、珍しいゲーツ長官の女性兵士に関する言及です。トランスクリプトはこちら
ROTC学生とは、一般大学卒業後に軍幹部へ任官することを条件に、学生生活間に奨学金を支給される制度を利用している学生のことで、学生は大学在学中も一定期間基礎訓練への参加も義務付けられています。
潜水艦への女性の乗艦は・・・
●オハイオ級戦略ミサイル原潜に限って実施される。なぜなら女性専用の居住スペースを確保する大きさが必要だから。
●女性は士官のみが乗艦の対象になり、かつ水上艦艇で部門指揮官レベルを経験した上級の指導役を果たす女性士官と共に2人以上で乗艦させる。
●我々はこの潜水艦での取り組みから、多くを学ぶであろう。
特殊部隊への女性の門戸拡大等
●私が推測するに、海軍の潜水艦へ女性士官の乗艦が開始されるように、各軍の特殊部隊にもその方向性が慎重に適用されてゆくだろう。
●現在も民生協力活動、情報支援、航空士等として特殊部隊で勤務している女性はいるが、海軍のSEALやSpecial Forces A-teamsなどは男性に限られている。その範囲が拡大する可能性がある。
●民生協力活動(civil affairs)を特殊部隊の特別チームの任務から切り離し、陸軍など他の軍種にも拡大すべきとの議論がある。実際は既に陸軍が戦闘任務の傍ら、民生協力活動を行っている。
●勿論特殊部隊の能力はそれを維持するが、民生協力に関する役割を君たちは拡大していくことになるだろう。
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女性の軍内各分野への門戸開放は各国軍共通の悩みです。
軍隊は元々男性社会で、少数の女性がその中に混ざることを快く思わない、又はこれまでのやり方を変更することに大きな抵抗があるからです。
また、出産や育児のため職場を離れることは公的に制約できず、これも女性が多く所在する職場の本音の悩みでもあります。
本日紹介したゲーツ長官発言の真意はどこにあるのでしょうか・・・?
男性兵士の質の低下を女性で補うため?
リベラルな民主党の政策?
民衆にとけ込む必要性が高いCOIN作戦で女性の存在が重要?
男性兵士ばかりで精神的な病の発生率が高いことから、女性の存在により部隊の雰囲気を変える必要?
様々な背景が考えられますが・・・たぶんこれら全ての複合要因なのでしょう。
おまけ記事
「米空軍士官学校の美人将軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10
「もう一人の美人空軍将軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29
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聞かせます!!ゲーツ長官の若者へのスピーチシリーズ
(士官候補生への講演)
「海軍士官候補生には・・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09
「士官候補生に語るシリーズ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-10
「空軍士官候補生に厳しく語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-06
(学生の卒業式や少年への講演)
「CIAでの失敗を高校で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
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