10月27日、空軍工科研究所(AFIT:Air Force Institute of Technology:Wright-Patterson Air Force Base)のギバン所長(空軍准将:Walter D. Givhan)が同研究所が最近開始したサイバー教育について語りました。
1919年に設立された同研究所は「当初は飛ぶことを研究し教えることが目的であったが、現在は空軍に関連する新技術の研究と教育に当たっている」とのことです。
ギバン准将はサイバー教育について
●我々はこれまでも大学学士レベルの教育を行ってきたが、いまや我が研究所は修士レベル及び博士レベルの教育を開始した。
●これは訓練ではなく教育である。一方的に我々が教えるだけでなく、学生側からも新たな考え方を取り入れ相互啓発的に内容を高めていく一つのプロセスである。
●昨日最初の卒業生が出た2つのコースがある。Cyber 200とCyber 300である。
●Cyber 200は現場勤務経験が6-8年間の初級幹部や一部下士官が対象の3週間のコースである。このコースでは現場で直面する戦術的で作戦的な課題に取り組むことになる。
●Cyber 300は勤務経験が12年間以上で、かつ6年以上サイバー分野で勤務してきたより上級幹部を対象とした課程である。この課程では、Cyber 200より広範な課題や概念に焦点を当てる。
●これらの課程を履修する者は、いずれも統合レベルでの指揮官を助け、サイバー技術を作戦計画の中に織り込んでいく任務に従事する者達である。
また同准将はサイバー分野の研究について
●日々限界をチェックする毎日である。決して決められた安全な枠内で仕事をしているのではない。
●民間部門でのネットワーク技術の発達のお陰で、予備役や州空軍の中にこのような技術に接している者が増えている。企業の中でサイバー関連業務に当たっている者が増えている。
●またAFITはROTCでサイバー関連プログラムを開始した。
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20年くらい前の映画で「ネットワークが戦場になる」と誰が言ってた様な覚えがありますが、これが現実になってきました。
そして中国のような軍事新興国は、米国が圧倒的優位を誇る戦闘機や空母や戦車などと言った「伝統的」な分野でなく、弾道ミサイル、巡航ミサイル、宇宙、サイバー、ネットワークといった分野に加え、メディア、言論、世論、資源と言った手段までを含んだ分野全体で対抗しようとしてきています。
このことを無視して安全保障の議論をしていると、「次期戦闘機が・・・」、「中国の空母が・・・」、「災害派遣や国際貢献が・・」といった側面の議論だけになり、財務省から「準自衛官」などという世界の笑い者になるような態勢の提案を受けるのでしょう。
「陸自を5ー7万人削減」すると言えば、そんな案は出てこないはず。「戦闘機は減らしてこのような将来態勢を目指す」との軍事的合理性に基づいた議論が行われていれば、財務省から珍妙な案を提示されないはずです。 自業自得だな防衛省・自衛隊は。
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