英空軍2020年までに戦闘機半減へ

typhoon.jpg11日付「DefenseNews」が、英空軍戦闘コマンド司令官の発言として伝えるところによれば、英空軍は2020年までに現在保有する戦闘機12個飛行隊を6個飛行隊にまで削減し、更にオマーンとの交渉が成立すれば、更に約12機をオマーンへ売却する可能性もある模様です。
これらの方向性は、10月に発表された英国政府の緊縮財政方針を具現化する過程で明らかになってきたモノで、具体的な時期に未定な部分(2015年に決定)もあるようですが、記事の流れからするとアフガンからの撤退後を見据えた大軍縮の方向に変化はなさそうです。
無人機やF-35や新型搭載機器に期待しつつ、「リスクを覚悟」での取り組みだそうです。
英空軍の戦闘機飛行隊数の変遷と今後を記事から見ると・・・
●1990年には33個飛行隊→20030年には17個→2010年時点で12個
→2011年4月には9個飛行隊になることが既定路線
現在の12個の内訳は→ 7個Tornado 3個Typhoon 2個Harrier
これが2011年4月には→ 7個Tornado 2個Typhoon
2020年の6個飛行隊の構成は→ 5個Typhoon 1個F-35
この場合Typhooを107機とF-35を40機ほどで想定。
2020年以降、将来的にはF-35を合計100機程度にして、英海軍の新型空母にも搭載の希望的構想あり
戦闘コマンド司令官(Air Vice-Marshal Greg Bagwell)は本件について・・
TornadoRAF.JPG●これは挑戦的な削減であるが、更なるアフガンへの派遣を今以上に求められなければ対応可能である。Tornadoがアフガン作戦に、Typhoonが英本土やフォークランドの防衛に対応する形である。
●削減されて幸せかと問われれば、ノーである。小さな戦闘コマンドになってしまうからである。現状の任務のほかに対応可能かと問われれば、イエスだがリスクがある、と答える。
●私が懸念するのは、将来の(寂しい)調達計画が、長期的な英国の抑止力を低下させることである。
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研究者のコメントとして、陸軍に比べれば空軍の受ける影響は少ない、との発言も紹介されていますが、それにしても大胆で急激な航空空戦力の削減です。
そのまま極東の我が国に当てはめることも難しいのでしょうが、そのプロセスには学ぶことがあるかも知れませんね。
英国軍の経費縮減策とは・・・
「英軍に学ぶ経費縮減策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-26-1
「英国も国防省改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-16-1
「英空軍も戦闘機削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-03
空軍と戦闘機
「米空軍の戦闘機削減が本格化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-28-1
「米空軍OBが断末魔の叫び」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-05-1
「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
空軍全体への問題提起
「空軍は単に飛んでいたいのか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「空軍へ最後通牒」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17

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