5日、2008年4月以来初めてオマーンを訪れたゲーツ国防長官は、40年にわたって同国を統治しているサイード国王(写真)及び国防を担当するアル・ブサイビ大臣と会談しました。
サイード国王は、イランに対する警戒感を持つ湾岸諸国とイランとの関係を、外交的に解決しようと精力的に活動している点で注目されており、同地域で洞察力ある指導者と見なされています。
ゲーツ長官に同行した国防省幹部も・・・
●我々がサイード国王との関係を重視している一つの理由は、同国王が地域における誠実な仲介役であり、全てのグループから敬意をもたれているからである。
●無論、我々は他者に自身の外交をゆだねることはないが、サイード国王がイランとの生産的な関係をある程度維持していることは、価値ある意義深いことだと考えている。
●会談では多様な事項が話題に上るが、イランが話題にならなかったら、それは驚きを持って受け止められるであろう。スルタンはアフガニスタンの状況や今後の見込みについて興味を示すだろう。
その他オマーンでは、ゲーツ長官は初めて洋上活動中の空母を訪問します。
現在は空母リンカーンがアフガン作戦用にアラビア海で活動中。空母艦載機はアフガン作戦の固定翼機の1/3を占めています。
ゲーツ長官は、約5千人が乗艦する空母にほぼ24時間滞在して空母の運用を視察し、各種グループと会談や懇談を行い、更に勲章授与式も行う予定です。
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外務省HPでオマーンについて調べてみると・・・
●オマーンは人口約290万人で、内3割の約90万人が外国人
●非同盟中立、善隣外交を国是とし、GCC諸国との関係強化をはかり、特にイランとGCCの関係改善にも尽力している点で注目されている。
●1971年に鎖国政策の転換を図り、国連加盟(1971年)。その後、石油収入を基盤とした経済建設、かつての反体制派からの人材登用による国内宥和を推進。
●国王は絶対君主制を維持しつつも、諮問議会設置や毎年の地方巡幸を通じて民心の掌握に努め、その政権の基盤は安定。
●2008年4月現在、閣僚級ポストに4名の女性が就任し、また、国家評議会(勅撰)に14名の女性が議席を得ている
●石油や天然ガスの埋蔵量はそれほど無いが、生産量を管理し、その収入を国内産業の育成にも振り向ける等、湾岸諸国の中にあっては堅実な施策を推進している。
●主要産業は、石油関連業、農漁業、観光業。なお輸出輸入とも日本が相手先の第2位である。(一位は輸出が中国、輸入はサウジ)
原油確認埋蔵量56億バーレル、可採年数18.9年
天然ガス確認埋蔵量0.98兆立方メートル、可採年数39.6年
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