3日付ロイター通信電子版によれば、米国時間6日(日本時間7日)にゲーツ国防長官が「5年間で約9兆円」の経費節減策を発表する予定です。
発表されました!
→http://www.defense.gov/home/features/2011/0810_effinit/
ゲーツ長官が、昨年5月のアイゼンハワー・ライブラリ演説でその決意と構想を明らかにし、具体的な数値目標と考え方を昨年6月16日に議会で説明した検討結果が公開されることになります。
ゲーツ長官が昨年明らかにした構想では・・・
●オバマ大統領の了解を得て、戦時下の国防予算は厳しい国家財政状況の中でも、1-2%の伸びを確保される。
●しかし、国から配分される伸びだけでは必要な国防力を維持・向上することが出来ない。
●そこで国防省内の無駄を削減し、削減分を国防省内で再配分して真に必要な分野に再投資する。
●国防費の無駄とは、成果の上がらない研究開発中止見直し、無駄な人件費削減(将官や文民ポストの廃止等、JFCOM等組織のリストラ等)、部外委託経費の見直し、その他各軍種にノルマを課しての経費削減
しかし、国家財政は更に厳しく・・・
●昨年12月、ホワイトハウスのOffice of Management and Budgetは、国防省に対し、今後5年間で7兆円の予算削減を要求した模様
●取りあえず国防省の2012年度予算案には、1兆円の削減ノルマが示された模様。ホワイトハウスは2月中旬に2012年予算案を提出する予定。
●ゲーツ長官イニシアティブで5年間9兆円削減が出来たとして、その9兆円が当初のもくろみ通り国防省内で再配分できるかは不明。ホワイトハウス要求の7兆円との関係が注目されるところ。
ロイターによると、ゲーツ長官の削減案には・・
●海兵隊の着上陸用装甲車両EFV(Expeditionary Fighting Vehicle 重さ40トン 既に開発費に2800億円を使用済)の中止。当初計画は573両を調達予定
●レイセオン社が担当のground-launched missile systemの開発中止(何のことかよく分かりません。サイドワインダーを地上発射型に使用する研究のことか?)
●国防省最大の調達案件・F-35開発計画の再見直し。2年程度の再度開発遅延。ロッキード社は、昨年はかなり頑張った、12月30日には10機目の機体がテスト飛行に入った、等とコメントするにとどまる。
●軍事アナリストは「ゲーツ長官の取捨選択基準を満たすプログラムは見つけるのが困難になりつつある」と語った。国防省の報道官は、計画発表時期についての言及を避けた。
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オバマに裏切られた・・との思いをゲーツ長官は抱いているのでしょうか・・・
でも・・・最終的には大統領の指示に従い、敬礼してその場を立ち去り、その指示実現に全力をつくすのがマーシャル将軍譲りのゲーツ長官の信念ですから・・・
ゲーツ長官経費削減関連
「ゲーツの取得開発改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「アイゼンハワー・ライブラリ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「続アイゼンハワー・ライブラリ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
「11万人削減案を長官へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-26
「国防省コストカット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1
「兵士と将来に9兆円捻出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
日本への要求関連
「ついに経費負担増要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05
「国防省が日本に防衛費増額要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-19
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