久々にAir-Sea Battle

「より詳細が公表されるだろう。しかし計画の大部分は秘密扱いであろう。それはそうあるべきである」
・・・と言うことで、長距離攻撃能力やグアムの施設強固化等の断片的施策が小出しになっているAir-Sea Battle Conceptですが、その後どのような検討が行われているのか、どこまで誰が何をやるのか、がよく分からない状況になっているところです。そんな中、久々に関連高官の発言がありましたので2つご紹介します。
3月16日、海軍制服のトップ・ラヘッド海軍作戦部長(Adm. Gary Roughead)が、軍事記者からのAir-Sea Battleに関する質問に対し、以下のように答えました。
RougheadNAVY.jpg●最近の中国ステルス機や対空母攻撃能力の向上だけが、海軍と空軍がAir-Sea Battleの検討を行っている理由ではない。時代全体の変化に対応したドクトリン、組織、訓練、装備調達の再検討である。
世界に拡散しつつある接近拒否戦略を背景に、米軍が当該エリアでも作戦出来るようにするためのものである。
●海空海兵隊のトップが基本的に合意し、数週間の内により詳細が公表されるだろう。しかし計画の大部分は秘密扱いであろう。それはそうあるべきである。
4月14日、ブリードラブ空軍副参謀総長(Gen. Philip Breedlove)が軍需産業関連の集まりで講演し、Air-Sea Battleはまだ第一段階にある、と語りました。
BreedloveAF.jpg相手は我々の弱点を突くことが非常に上手である。一方で、相手は我々が比較的良い軍隊を用いて国を分解するところを見てきた。彼らはそうはなりたくない。
●昨年来継続してきた海軍とのAir-Sea Battleを巡る議論から強く感じたのは、(海空海兵隊が)相互依存や相互協力を強化し、統合のチームとして普段から準備しなければならない、と言うことである。事が起こってからでは遅い。
●海軍と海兵隊は良いチームワークを築いているが、空軍は彼らともっと訓練を共にして一体感を高め、効率的に切れ目無く作戦出来るようにしなければならない。
航空戦力と海洋戦力のより緊密な融合を求めているAir-Sea Battle計画は素晴らしい第一歩である。それを実現するためには、共に訓練し活動を共にしなければならない。そうして国家目的に供しなければならない。
●Air-Sea Battleは大部分が秘密であるが、近い内により細部が公開されるであろうが。
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軍事に関して秘密の部分が多いのは当然ですが、米国では軍事作戦に関しても兵器開発構想にしても、かなりオープンに行われることがありました
chinaFlag.jpgしかし対中国においては、中国が情報を盗んで効率的に対応策を執ってしまう可能性がより高く、米国の開発経費に比して中国の対応策経費が「不当に」低くなる恐れがあります。
これを避けるため、中国にも軍事費を強制的に出費させるため、情報の公開を控える・・これがAir-Sea Battle構想を秘匿する背景です。  「相手にコストを強いる」との考え方です。
「Air-Sea Battleの状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05
「前対中国で北東から南東アジアへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09
「久々にAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「レビン提言とAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1
「対中へミサイル原潜増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-10
「Air-Sea Battleとミッドウェイ68周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-08

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