中国の弱点戦闘機エンジン

J-20groundgrew.jpg中国軍需産業の弱点の一つ、戦闘機用エンジン生産の将来見通しについて、29日付「Defense Tech」記事が中国の「China Sign Post」なるサイトのレポートを紹介しています。
現レポートを読んだわけではないので断定できませんが、記事によると、地域の軍事勢力とはなり得るが、世界のスーパーパワーとはなり得ないとの結びになっているとのこと。中国にしては謙虚な内容となっているようです。それでも5–10年で何とか形になり、ロシアからのエンジン供給を受ける必要がなくなるとの見積もりですが・・・。
「China Sign Post」レポートの概要は(defensetechによると
●基本的に、今後5–10年で中国は高品質戦闘機エンジンを量産できるようになり、近代的な部隊建設に貢献できる。そしてこの時期はJ-20ステルス戦闘機の大量生産時期と一致している。
●依然として、バラバラに統制なく存在するエンジン製造企業が妨げとなり、仮に米国の1990年代レベルのエンジンが製造できるようになっても、地域の軍事勢力とはなり得るが、世界のスーパーパワーとはなり得ないだろう。
J-20-41.jpg●中国航空宇宙業界の最大の課題の一つは、世界の一握りの企業しか成し得ていない戦闘機エンジンの製造である。
●このエンジンは航空機の心臓システムにあたるが、移植はできても簡単には回収や修理ができないものである。人体器官と異なり、これは独立に設計製造できるが、高温、高圧、高G、振動等々に耐えるモノするには、高度な材料加工、製造や運用統制システムが必要である。
●中国は近年、材料製造や繊維加工で急速に進歩してきたが、依然としてパーツやシステム設計、システム統合や全般制御技術、更に後方支援態勢や運用態勢面で限られた能力しかない。
●公開情報を総合すると、中国の緊要な分野での進歩は分野ごとに一様でなく全体として劣る部分以上の性能が発揮できない。中国の軍需産業全体の現有能力を考えれば、このような結論に導かれる。
J-20-31.jpg中国軍需産業はめざましい進歩を遂げるであろうが、焦点のぼけた政策により邪魔されるだろう。それでも2–3年で個々の能力をあわせた程度の性能は達成でき、5–10年で安定的に最先端のターボファンエンジンが生産できるようになるだろう。
●これにより中国軍需産業は世界1流企業の仲間入りができ、ロシア製技術に依存していた数少ない分野から自立できる。
●ちなみにロシアは自国の軍立て直しのためにエンジンが必要なため、今後中国に上質なエンジンを供給しない・できないとの指摘もあり、中国は自国のためにも、また国際市場への輸出材料としても活用できる機会を得る。
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chinaFlag.jpgジェットエンジンの設計製造は、に一国の技術力の総決算のようなもので大変難しい様です。記事にもあったように、個々の部品だけでなく、総合的にバランスを保ちつつ過酷な環境に耐えるモノし「熟成」させていく過程が難しいそうです。
従って、中国がこれをどこまでやり切るかは一つの試金石かも知れません。それと・・ロシアがもう一度巻き返せるかも注目です。
「映像と評価中国ステルス機J-20」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-30
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