予算削減検討の4原則

press0920-1.jpg20日、パネッタ国防長官はマレン統合参謀本部議長と共に記者会見に臨み、政府や議会で議論が続いている政府予算削減と国防省の対応と影響について語りました。
これまでも紹介してきた内容も含まれますが、米国防省HP記事より改めて整理してみます。
パネッタ長官は・・
●先の国家負債上限引き上げの際に示された、今後約10年間にわたって計$450 billion国防費を削減する件については、戦略的なアプローチを行い、国家安全保障や国益の観点から慎重に削減案検討を行っている。
●現時点では何も決定していないが、各軍種や地域コマンドからの提言を踏まえて最終的な取りまとめの準備を進めている。本検討に当たっては、以下の4原則を念頭に置いている。
—紛争を抑止し、戦力投射を行って戦いに勝利を収めうる、世界最高の軍を維持する。
—それが小さくなろうとも、空虚な軍は避け、即応可能で柔軟な展開可能な軍を保持する
—削減検討に当たってはバランスの取れた検討を行う。重複や官僚的無駄経費を削減すると共に、支出に際して競争や経費管理を改善し、人件費を圧縮してより小型で多様性があり柔軟な軍を目指す。
—強靱な志願制の軍を維持するため、兵士との信頼感維持を重視する
NDUTV2.jpg●我々はこの予算削減を今後10年間にわたり軍をより優れた体制に変革する機会ととらえて取り組んでいる。ただ$450 billionの削減でも、既に極めて厳しい取捨選択を迫られておりリスクを伴っている。このリスクを戦略的包括的な分析によって最低限にしようと取り組んでいる。
しかし、11月24日までに議会が予算削減計画をまとめられなければ、国防省には更に$500 billionの予算削減を迫られることになり、破滅的な影響が避けられない。「この規模の国防費削減は、国家が直面する多様な安全保障上の脅威に対応できなくなることを意味する」
●この規模の削減はまた、軍だけでなく軍需産業基盤にも大きなダメージを与え、最良の国防システムの維持が不可能になる。
マレン議長(今月末に退任)は・
press0920.jpg●我々は目を見開き、戦略に沿って現在の作戦や保有能力を再評価して削減や中止すべきものを選定している。計画から遅れ余分な予算を要しているプロジェクトも、非効率な人件費も精査の対象に入っている。戦略の中心から外れる訓練や演習も再評価の対象となる。
●以上のようなアプローチで、$450 billionの削減であれば何とか対応可能かも知れないしかしそれ以上の自動的削減は、我々の任務に関わるあらゆる安全保障上のリスクを伴うモノとなる。
もし更なる削減が避けられたならば、我々は優先順位を決めて厳しい選択を行い、将来に向けてより強靱な軍を目指す機会を迎えられるだろう。兵士との信頼関係を維持しながら。
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$450 billionに加え、11月24日までに合意できなければ時間切れで$500 billionの削減が加算される・・・
米国は何とも大胆で恐ろしい国だと思います。でもこれ位退路を断ってやらないと、民主主義国の債務削減は出来ないのかも知れません。
「予算削減案完成は来年2月」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-08-1
「陸軍は10個旅団削減案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-02
「米国がやらねば他はやらぬ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-24-1

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