米豪が60周年同盟を強化

「議論の幅と深さからして、豪ほど米と緊密な国はない」
「今時の米豪協議の目的は、我々の協力関係を強化し、アジア太平洋地域の我々を脅かす者に対して、我々の決意が固いとのシグナルを明確に発することである」
ANZUS60.jpg15日、ANZUS同盟締結60周年のサンフランシスコで米豪2+2が開催され、両国間の同盟強化を明確にしたコミュニケとサイバー協力に関する文書が発表された模様です。
コミュニケとサイバー協力に関する文書を未確認なのですが米国防省HP記事から、会談後の共同記者会見の模様をご紹介し、冒頭紹介のパネッタ発言に現れた両国の緊密度をご覧頂きましょう。
パネッタ長官は・・
●ワーキンググループがこれまで議論を重ねてきた、両国軍の訓練と作戦運用面での連携強化、共同活動の促進、施設の共同使用に関するオプションについて話し合った。
●我々は、太平洋地域の現状を両国が共有した上で、同盟のプレゼンスと態勢を強化することに取り組んだ。なぜなら両国の発展繁栄は、太平洋地域の安定と安全に掛かっているからである。
●サイバー安全保障に関する文書は、両国がサイバー攻撃に協力して対応する強い意志を示したモノである。サイバー空間は将来の戦場である。我々が協力することが、この新たな大きい脅威に対抗するために極めて重要である。
●今後も我々の協議は継続される。
anzus60-4.jpgクリントン国務長官は・・
●今日公表するコミュニケには、我々の国益、価値感、ビジョンの全てを反映したものである。
●そこには、海上での協力から共同開発計画、更には太平洋地域で繁栄と民主主義を推進するためのインドとの関係強化等についても述べられている。、
ラッド豪外相は・
サイバー文書には、新しくて重要な両国の運用が表現され、両国政府や一般市民や企業をも含む連携強化を示している。サイバー分野は、非通常戦分野で敵も不明なまま戦わなければならない戦いである。
●それ故に、将来そのような攻撃を受けた際には、事前の取り決めに基づいた同盟行動が極めて重要になる。
スミス豪国防相は・・・
1年に渡るワーキンググループの成果を議論し、共同演習や訓練の増加、共同作戦の活発かを進める。より豪国流に平易に表現すれば、より多くの艦船や航空機や兵士が豪に出入りすることになる
●これらは我々が既に行っていることの延長線上にあるモノであるが、作戦運用の観点からすればもっとも大きな変化となりうるモノである。
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記者会見では、中国、韓国、日本との関係についての意見交換、北朝鮮問題の話し合い、インドとの協力、インドネシアとの協力、中東問題等々を議論したことも触れられています。
もちろんアフガニスタンにおける豪軍800人と文民60名の協力への感謝と今後の対応に関しても話し合われています。
anzus60-2.jpg「豪ほど米と緊密な国はない」、そして「協議の目的は、我々を脅かす者に対し、我々の決意が固いとのシグナルを」ですから、最近になく笑顔溢れる両国首脳です。
英国が一方的に国防費を大幅削減し、何となく「すきま風」が感じられる中、資源輸出が好調で経済好調の豪が、米国にとって頼りになる存在になってきました。もちろん中国から程良い距離を保てる地理的特性も大きな要素ですが。
日本のメディアは今回の米豪2+2をもう少しフォローすべきだと思うのですが・・・。在日米軍の空洞化を意味する出来事なのですが・・・。SMAPの中国公演なんかよりはこっちの方が遙かに・・・
「米豪関係強化で軍再編加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-06
「米海軍は日本から豪へ移動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2
「豪との関係強化へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-09
「発表:サイバー作戦戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-15
「前半:サイバーと宇宙演習の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「後半:サイバーと宇宙演習の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

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