続報空軍のMALDをご存じ?

MALD(Miniature Air Launched Decoy Jammer)は、空中発射の無人電子妨害用飛翔体です。
mald2.jpg6日付のレイセオン社発表によると、レイセオン社が米空軍と協力して実施したストライクパッケージ攻撃試験で、参加した複数の各種MALDが所要の性能を発揮。国防省の要求性能を満たす証明獲得に向け大きく前進した模様。本年末からの生産開始にめどが立ったようです。
この妨害飛翔体は、中国のような強固な防空網を突破して作戦する為に欠かせないモノで、ステルス機であってもこの支援を受けないとリスクが高すぎると考えられているようです。米空軍はステルス機に頼って近年電子妨害機をおろそかにしてきた経緯もあり、開発がAir-Sea Battle実現に向けての喫緊の課題となっていました。
MALDの概要
MALD.jpg●爆撃機や戦闘爆撃機の翼から投下される重量300ポンド未満の飛翔体。プログラム通りに飛行する無人機で、約500nm飛行可能
●有人の電子戦機より格段に低価格。(現在空軍はスタンドオフ電子戦能力を海軍機EA-6BやEA-18Gに頼っている)
baseline MALDとMALD-Jの2タイプがある。
baseline MALDは既に生産開始済み。有人機を模擬した飛行を行いつつ電波や信号を発射し、爆撃機や戦闘機と見せかける(mimicking)ことにより相手を攪乱する
MALD-Jは有人の随伴電子戦機の代わりに相手に電子妨害を行い、有人機の乗員や航空機を守る。
試験では・・・
ea-18ggro.jpg●段階的なMALD-Jの試験の中では、最も激しく複雑な実戦環境を模したモノであった。
●複数のbaseline MALDとMALD-Jが同時に使用され、MALD-Jはプログラムに沿って自由飛行させる方式と翼下に搭載して妨害を行う方式の両方が試験で試された。
●有人の戦闘爆撃機を中心として構成された攻撃パッケージによる作戦を実際の航空機と実環境をもした環境でシミュレートし、MALD-Jの有効性を確認できた。
関連情報は→http://aviation-space-business.blogspot.com/2011/09/mald.html
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Air-Sea Battleを支えたり、接近拒否戦略への対抗手段となる装備品開発に余り景気の良い話がない中で、数少ない朗報ですのでご紹介しました。
次期爆撃機も予算が先細り、CPGSも実験が失敗続き、艦載無人機も完成が遅れ気味・・・予算全体も大幅縮小方向だし・・・。
「元祖米空軍のMALDをご存じ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-16
「Air-Sea Battle構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
どんな兵器を:Anti-Access対応→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
Anti-Accessへの対応コンセプト→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03

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