「グラント、パーシング、マーシャル、アイゼンハワー将軍等と並ぶ歴史上の偉大な戦争指導者」
8月31日、ワシントン郊外の陸軍基地でペトレイアス陸軍大将の退役式が、マレン統合参謀本部議長の主催で行われました。式典にはリン国防副長官や陸軍長官、ペトレイアス大将の家族などが参加しています。
9月中にはCIA長官に就任する予定のペトレイアス大将ですが、軍人としての功績は「歴史上の名将」に比するものと讃えられています。米国防省HP記事より
主催者マレン議長は・・・
●貴官は現代の優れた将軍と肩を並べるだけでなく、グラント、パーシング、マーシャル、アイゼンハワー将軍等と並ぶ歴史上の偉大な戦争指導者の仲間入りをしている。
●貴官は、米国がかつて経験したことの無いような困難に直面している際、我々の目を見開かせ、可能性を示すことにより我々を鼓舞してくれた。
●貴方は、戦時の指揮官として最上級の模範(Gold Standard)である。
ゲスト代表のリン国防副長官は・・・
●ペトレイアス将軍は、極めて有能な戦闘指揮官であり、また戦略家でもあった。
●イラクやアフガンで我が部隊は、これまでにない、訓練経験もない、適当な装備品もない困難な環境下で戦った。それが可能になったのは、ペトレイアス将軍がCOIN戦略を立て、それを実行に移したからである。
●イラクとアフガンは米軍兵士に試練を与えた。我々の柔軟性や粘り強さ、そして国家の意思までもテストした。しかし我々は、ペトレイアス大将が唱えた、最も強力な兵器や装備は武器ではなく兵士の精神にある、との戦いの原則に沿って行動した。
「the most powerful weapon and most powerful tool any soldier carries is not his weapon but his mind」
ペトレイアス大将は挨拶で・・・
●我が軍隊の核心はその構成員たる人間である。それが自身を戦場に送るモノと知りながら入隊時に宣誓した兵士は、前線派遣後はその全てを捧げるかを再び問われ、来る日も来る日も、灼熱の太陽の下、極寒の中、防弾チョッキを身にまとい、タフで野蛮な敵と向かい合い、自陣から出た後は手榴弾に見舞われる可能性も否定できず、しかしそれでも常に準備し要請に応えている。
●彼らが我が軍の核心である。全てのリーダーによる意志決定は、軍を支える人々を心に置いて成されなければならない。
●私は今日限りでユニフォームを脱ぐが、皆さんにバルジ大作戦に臨んだ際のパットン将軍の言葉を最後に残したい。“I am a soldier. I fight where I am told, and I win where I fight.” Good luck and Godspeed.
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ペトレイアス大将は1974年に陸軍士官学校を卒業
2003年のイラク戦争開戦時は、精鋭101空挺師団長、その後多国籍軍イラク権限委譲コマンド司令官、米中央軍司令官、そして最後は再びマクリスタル司令官の退任を受け、大統領や国防長官の要請で、最後は格下のアフガン総司令官として前線で勤務。
「全てのリーダーの意志決定は・・・」この辺りの表現は、大統領による国防費削減へのせめてもの抵抗かも知れません。長いスピーチではありません。トランスクリプトはこちら