ステルス機は、敵捜索レーダーの電波を一定方向に反射せず、吸収したり、分散反射して敵捜索レーダーでの受信を困難にすることでレーダーから見えにくくしています。これは一般に、レーダーの送信機と受信機が一体となって同じ位置に設置されている事を利用したものです。このほか、熱の放出を抑える赤外線ステルス対策も施すことも含まれますが・・・。
バイスタティックレーダーとは、捜索用電波の発信装置と受信機を別の場所に設置することで、ステルス機によって散らされた反射電波を拾って目標位置を特定しようとするレーダーです。
この技術には、離れた場所にある送受信機の時間合わせや複雑な信号処理を迅速に行う演算装置の開発が一つの鍵と言われています。ただ研究者の中には、ステルス技術と対ステルス技術の発展予想速度を比較し、将来的には対ステルス技術が上回る可能性があると主張する者もいます。
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「ステルス VS 対ステルス」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-04
そんな中の19日、米空軍研究所(AFRL:Air Force Research Laboratory)が企業に対し、バイスタティックレーダー無人機の開発に協力してくれる会社はないか、との協力依頼を発出しました。
同研究所のバイスタティック構想は・・・
●米空軍のAWACS(E-3A)からレーダー波を発信。無人機の機体に搭載された受信アンテナで目標からの反射電波をキャッチ
●AFRLは長年受信専用無人機の開発に取り組んでおり、既に機体全体を受信アンテナとして設計した模型で風洞実験(写真上)を実施済み。
●受信専用の無人機開発ばかりでなく、既存の無人機に受信レーダーを埋め込む方式も同時に追求。
コンセプトとしてはバイスタティックレーダーは以前から提唱されていたが、中々実現を後押しする雰囲気には成りませんでした。
しかし近年、ロシアのPAK-FAや中国のJ-20と言ったステルス指向機が登場し、俄然対ステルス技術に注目が集まってきました。ネット記事は、具体的な開発の時間的スケジュールに言及していませんが、それなりに勝算があってのことでしょう。
こうやって発表することで相手に余計な心配をさせる効果は十分ですが。
「映像画像付J-20分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-30
「プーチンが大宣伝PAK-FA」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-19