宇宙ドメインで活躍の女性

23日付AFマガジン「Daily Report」は、前週に開催された「空軍協会地球規模紛争シンポジウム」でのプレゼンを幾つか取り上げています。
テーマがGlobalだけあって宇宙関連のプレゼンも多かったようですが、女性の活躍が目立ったので、本日はテーマと人物の両方からご紹介します
Kay Sears衛星通信Intelsat社長
Intelsatkay.jpg商用宇宙産業は、軍事作戦に於いて重要な役割を果たす。宇宙産業界は今日のような優しく優位な環境を当然とすべきではない。我々は通信を独占できるような環境が必ずしも確保されないことを肝に銘ずるべきである
●我が社は、衛星通信の抗たん性:Resiliencyを深く考察し、通信保全に多額の投資をしている。例えば、幾つかの衛星に特別な通信回線type-one encrypted telemetry, tracking, and command links)を搭載している。
●核攻撃(のEMP電磁パルス)に絶えられるような衛星の強化までは商用では考えていないが、商用衛星と軍事衛星の世界は、より多くの分野で共にやっていくことが出来ると思う。
●また商用通信衛星は妨害行為の急増に直面しており、対妨害機能の強化をすすめている。
この敏腕女性社長は、業界の中で商用と軍事衛星の協力関係推進役を数年に渡って勤め大統領直属の宇宙通信諮問委員でもあります。
有事や軍事衛星に被害が発生した際の緊急代替確保において、商用衛星活用の橋渡しも行っているようです。日本の業界の方にもお馴染みかもしれません・・・
PAWLIKOWSKI中将・空軍宇宙ミサイルセンター所長
pawlikowskiLTG.jpg●21世紀に入り、宇宙の様相は一変してきており、米国は宇宙におけるプレイヤーの一人に過ぎなくなる。新たな宇宙では、新たなリスクと挑戦が待ちかまえている
●現在、11カ国が22カ所の衛星打ち上げ施設を運用し、60の国や共同体が衛星を軌道上で運用しているが、衛星の数は増える一方である。
米国防省の追跡する22000の衛星やゴミが、軍事や商用衛星の能力に影響を与えないようにすることが極めて重要になる
これまで女性准将や少将はご紹介してきましたが、中将は初めてです。推定年齢56歳
現職は5千人を従え、空軍内の宇宙関連研究開発、調達、将来計画、装備維持を一手に管理する重職です。
一般大学を化学工学の専攻で卒業後、技術開発管理や調達管理の業務から始まり、国防省で核エネルギー管理や核拡散防止担当課長、空軍では機上レーザー兵器開発リーダー、衛星通信団司令官、米空軍研究所所長、国家機関ではNRO副所長も経験された方です。
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桜3.jpg空軍社会では男性が戦闘機パイロット中心のピラミッドを構築してきましたが、今では硬直して壊死しかけています
優秀な女性は、かつて隙間だった宇宙や通信や開発調達分野に活路を求めて頑張り、いつしか時代が変わって中心に躍り出た・・・と言った構図でしょう。
下記の過去記事の「NSSS」や「宇宙優勢・・」にも現れているように、宇宙分野もコスト削減のため打ち上げロケットの官民共用や長期間一括発注が検討されています。
そんな動きを推進するIntelsat社長は「時の人」でもあります。
「サイバー戦の指揮も女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-06
「宇宙戦争の指揮は女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「日系女性が国防省IT戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
「謎のNROを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-20-2
「前半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10
「後半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10-1
「国家安全保障宇宙戦略:NSSS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-05
「警告677回:中国宇宙ゴミ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-14-1

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