23日、カナダ空軍高官はAFAのAir Warfare Symposiumの討論会で、高価なF-35の単価や運用経費を勘案し、操縦者養成の相当部分をシュミレーション訓練に置き換えることを検討中だと語りました。
またノース米太平洋空軍司令官は、米空軍が予算削減のため運用停止を決定したグローバルホークBlock 30型の代替等について語りました。24日付の「Archive」より
加がバーチャル訓練でF-35経費節減を
●65機のF-35購入を予定しているカナダは、購入予定のF-35を全て作戦部隊に配備したいと考えており、教育部隊では、よりシミュレーター訓練に依存した操縦者養成を検討している。
●また同時に、F-35の運用コスト上昇が実飛行の代わりにバーチャル訓練を増やす検討の背景にある。
●AFA総会の討論会でカナダ空軍参謀長補佐官(assistant chief of the air staff)のブロンディン少将(Y.J. Blondin)は、カナダはバーチャルな飛行訓練に重きを置いていると述べた。
●同少将によれば、カナダ空軍の作戦航空機パイロット教育は、当初小型航空機で訓練、その後シミュレーターでのバーチャル訓練を経て、直接作戦飛行隊に配属する方向で検討されている。
ノース太平洋空軍司令官は・・・
●溢れるほどに膨れあがったISR要求に対応するため、RQ-4 Block 30型が2013年に運用を停止した際の穴埋めに、同サイズの米空軍の別のISRシステム使用を考えている
●グアム島に設置された3機のBlock 30型を格納するハンガーも代替ISRシステムに使用する。ハンガーは元々、多様な機種に対応するように作られているのだ
●米空軍が使用を辞めることになっても、Block 30型機を同盟国が使用することまでは排除していない。この機体はとても有能である
●この優れた能力を必要とする国が複数存在する。例えば韓国がRQ-4購入に興味を示している。
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元イスラエル空軍司令官は、F-35のような高価な機体を導入するならば、単機での運用も考慮すべき、と根本的な運用思想の見直しを訴えていました。
カナダ空軍の検討は、予算とコスト、他の装備品との投資バランス、更に戦闘機の国防における重要性の低下を考慮すれば、当然検討されるべき課題でしょう。
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「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
韓国はかねてより無人偵察機に興味を示していましたが、Block 30型を安く導入できれば・・・と考えているのでしょうか。日本にも打診が来てるのかもしれません。
空中給油機やAWACSでは韓国空軍に先行した日本ですが、戦闘機命で硬直化した現状では、無人機の分野で韓国に先を越されるのでしょう。
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「バランスのとれた軍を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09