昨日に引き続き、AF-magazine3月号の記事「Old Bombers, New Again」から、現有爆撃機を今後30年以上使用しても問題なし、との主張をご紹介します。本日はB-1とB-52を取り上げます。
各機種の製造会社担当責任者の話ですが、特にB-52の「鼻息が荒い」ように感じました。
予算削減の危機感を声高に訴えてきた空軍協会機関誌は、維持が難しいから新型機を開発調達しろ、との主張を各種装備品で続けていますので、この記事の主張はみょーに新鮮で気になりました。
B-1爆撃機について
●空軍は2040年までの使用を念頭に置いているが、ボーイングの責任者は2050年まで機体は問題ないと考えている。特に航空機の背骨にあたる部材の問題を解決した後は自信を持って言える
●勿論、1980年代半ばに製造された航空機なので、部品の確保が困難になりつつある問題を抱えているが
●能力アップのため、内部弾倉に16連装ランチャー搭載を考えている。これにより500ポンド弾であれば3倍搭載できる。また新型の航法装備開発が最終段階である
●将来的にはレーダーを最新技術のAESAレーダーに換装したいと考えている
※写真は自慢の低空高速飛行能力を誇示しているところ。アフガンでは低空飛行の音で相手を威圧する役割も担っている模様
B-52爆撃機について
●B-52は高々度戦略爆撃機として開発されたが、その後巡航ミサイル搭載用にも改良され、最近ではCAS近接航空支援用としてもアフガンで活躍している
●機体の平均飛行時間は現在約1.7万時間であるが、少なくとも約2.9万時間までの飛行は可能である。1970年代に実施した巡航ミサイル用の翼補強もあり、空軍が想定している2040年までの使用に関しても、何も手を加える必要はない。
●部品の確保は課題だが、モスボール保管している機体からの取得も活用している。一部再生産する部品も相当数を調達している
●各種改修を経て、内部弾倉の回転式ランチャーにはJDAM,JAASM, JASSM-ER等、多様なミサイルが搭載可能となった。これにより翼下搭載時よりも空気抵抗が減少し、多様な弾種の混合搭載が可能となり、整備性も向上した
●またJDAM等GPS利用兵器のためのソフト改修が計画されているほか、通信ネットワークのデジタル推進や搭乗員用情報端末の更新が進められる予定
●B-1と同じく、AESAレーダーへの換装により、地上マッピングや電子戦能力向上、更に放射電波の低減を視野に置いている
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A2AD対処にはステルス性が優位なのでしょうが、大きな機体の拡張性を利用して多様な任務用に活躍するB-1とB-52でした。
U-2偵察機も、グローバルホーク30型を抑えてあと30年くらい頑張るようですので・・・。
あと30年となると、これから新たに操縦者も養成するんでしょうね。希望者がいるのかな? 戦闘機に見切りをつけた・・・
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04
「Balanced Strategyを再確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27
「空自OB、F-Xはステルス無しでも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-16
「あの戦争を何と呼ぶべき」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-26
「不穏なアジア担当次官補人事」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20
「産経論説員の田母神評」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13