22日、旗色の悪い海軍の新装備、LCS沿岸戦闘艦の活用について海軍次官のRobert Work氏が語っています。異なる2機種をどう配分するの等。
昨日ご紹介した太平洋軍司令官の発言「USS Freedomを来春からシンガポールへ」と全く逆の発言で、米国防省内の連携に疑問を感じさせますが、2艦種を組み合わせて配備もあるでしょうから、そのうちハッキリするでしょう。以下のWork次官の説明は筋が通っている気がしますが・・
なおLCSは・・小回りがきき、モジュール化したパーツを入れ替えることで多様な性能を発揮し、多様な任務に対応可能・・・との触れ込みの小ぶりな沿岸戦闘艦LCSは、どろどろの機種選定の後、前代未聞の2機種両方採用との悪しき「大岡裁き」の前例を作った新型艦です。
また、海軍出身で上院軍事委員会主要メンバーのマケイン議員が、「海軍の歴史に残る恥だ」と言った開発調達経緯を持つ船です。
「F-35化する沿岸戦闘艦LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
LCS擁護のRobert Work次官は・・・
●LCSは中国との最前線に立つのには適していないが、紛争時に極めて重要な海上補給ルートの防御に当たるだろう。
●ただし対イランでは、LCSは戦いの初日から、バーレーンから出撃する最終的には8隻が戦闘に参加するだろう
●二つの潜在的な戦域(対中国と対イラン)はそれぞれに特徴が異なっており、海軍はより機動性があるロッキード型(Freedom:通常の形状)を、(イランの)小型ボートとの細い海路での衝突の焦点と考えている
●一方でジェネネラル・ダイナミック型(Independence:トリマラン3胴型)は、より大きい甲板と燃料タンクを持ち、エリアの広い太平洋地域に焦点を置くと考えている
●(タイプの異なる2機種を保有することを擁護し、)2つのオプションを保有していることが好ましいと考えている
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まずは、LCSの試験が順調に進むことを願うばかりです。最近、LCSの映像が多数アップされており、関係者がLCSへの疑問を払拭するために努力している様子が窺えます。
Work次官の発言もその一環でしょうが、「中国との最前線に立つのには適していない」との部分だけ報道される辛い立場の次官稼業です。
確かに、CSBA研究員時代のレポートが色濃く反映された以下のゲーツ長官演説の疑問と、現実の世界は異なりましょうが、Work氏が目指す姿に向け頑張っていただきたいモノです。
「海軍海兵隊とも全面対決へ」 http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1
その他LCS関連
「星国防相がLCS配備検討を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-10
「LCS機種選定泥沼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-24
「次世代の米艦艇LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-31