3日、豪のスミス国防相はパネッタ国防長官と(電話)会談し、豪が購入を決定している12機のF-35の発注を2年延期(当初受領予定2015~17年)すると伝えました。
豪は14機の購入を決め、既に2機を米国内で受領して要員訓練や試験を行っているようですが、義務のある残り12機については先送りをねじ込んだようです。
ただし、その理由を開発の遅延や価格高騰とは言わず、8日発表予定の豪2013年度予算での国家目標である財政赤字解消を達成するため、また米国の調達と歩調を合わせると説明したようです。
地下資源のお陰で、今や先進国の中で唯一経済が好調で、中国の拡大を受け安全保障面で米との関係強化が急伸中の豪ですが、表現振りに配慮しながらも「君子危うきに近寄らず」の原則を守ったようです。
豪はF-35を計100機購入予定でしたが、その遅れや悪い噂から代替案を検討中と伝えられていたところです。
3日付「Defense-News」によれば
●豪政府は8日に予算案を発表するが、F-35の延期により米ドルで$1.64 billionを浮かせることが出来る。
●豪は世界的な経済縮小の中でも鉱山業で成長を続けているが、今回の予算案では赤字解消が鍵と見られている。歳出削減のためF-35の他に、野戦砲を削る方向である
●一方で豪政府は、新型潜水艦12隻の予算は確保している。このプロジェクトは豪史上最大の計画(約3兆2000億円)となる
豪のスミス国防相は・・
●この決定は、パネッタ国防長官による米軍150機のオーダー(延期)と同様の動きである。
●我々両国はこの決定により同じタイムテーブル乗ることになる
Julia Gillard(女性)首相は・・
●豪軍の海外活動予算を削減することはない。前線の兵士を守る。また豪軍の人員数は維持する
●前回国防白書を発行した2009年以降の国内・国外情勢の変化が激しいことから、次回国防白書を1年前倒しすることを命じた。
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豪の決定を受け、カナダやノルウェー等々も何らかの動きに出る可能性が・・・。日本が固まっている間に。
豪が当初の2015年から本格導入する予定を、2年遅らせると2017年になります。・・・と言うことは、2016年予定の日本よりも後に・・・。すごいですねぇ・・日本は。開発パートナー国よりも先に・・(要改修箇所が山盛りの機体を・・)
田中真紀子の旦那は、パネッタ長官に電話して確認すればよいのに・・豪国防相みたいに
中国や脅威の変化を受け、そして財政状況には配慮し、世界各国は柔軟に国防政策を見直しています。日本が中身のない「動的防衛力」にしがみつき、戦闘機命のまま化石化している間に・・・。
「米正式決定:F-35日本輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03
「豪が米のF-35計画を精査中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29
「豪は14機のみ購入確約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-27