3日、パネッタ長官はベトナムのカムラン湾への歴史的訪問を行い、これまたベトナム戦後初の米艦艇訪問を行っている海軍の輸送艦でスピーチを行っています。
また、今回のアジアツアーへの移動途中で、フィリピンへの米部隊のローテーション派遣を示唆しており、米特殊部隊のフィリピンジャングルでの隠密対ゲリラ作戦指導に加え、20年間さび付いてきた同盟が活性化されそうです。
カムラン湾上の米艦艇Richard Byrd甲板上で・・
●本年はベトナム戦50周年の年に当たり、先日の戦没者追悼記念日にオバマ大統領と共に記念式典に参加してきた。多くのベトナム戦経験者にとって、このカムラン湾を取り囲む壁のような山々は、この立派な港と周辺にある当時の米軍の飛行場や補給諸施設と共に忘れられない光景であろう
●私は本日ここに、米ベトナム国交正常化17周年を記念すべく立っている。60年代から70年代初頭にかけ、ベトナムは血塗られた国となった。米兵士5万8千人が死亡し、更に多くが負傷した。ベトナム兵士やベトナム国民が被った戦争の代償は余りに大きかった
●同時に私は今日、米国とベトナムが築きつつある協力関係を確認しつつある。国交正常化後、両国は軍事協力関係を段階的に進め、昨年更なる緊密化のための覚え書きを結んだところである。
●長い道のりだった。我々は複雑な関係を持っているが、歴史によって分かたれることはない。両国が関係を発展させられる道を探っていきたい
●米国は例えば、高官の相互訪問、海洋安全保障、救難救助活動、人道支援や災害対処、更に平和維持活動分野で関係発展を追求したい
●カムラン湾の港湾施設や補給修理施設へのアクセスは米艦艇にとって非常に重要であり、同時に政治的に意味するところも大きい。これを契機に、米国のアジア太平洋政策の目的達成が進展し、ベトナムとの関係が一段階進展するだろうと考えている。
●この機会を捉え、我々の戦争行方不明者(MIA)捜索へのベトナム政府の協力に感謝する。
4日の国防相会談で上記5項目の他に
●私(パネッタ長官)から、当地域との協力強化と米国の永続的関与を示すシグナルとして「Office of Defense Cooperation(国防協力室)」設置した事の重要性を説明し、重要なベトナムとの軍事関係の将来に資するとお話しした。
(注:この国防協力室がどこに、そして地域全体をカバーするのか、ベトナム専従なのかは不明です)
この他目玉行事として、ベトナム戦争時の混乱の中で、両軍兵士が持ち帰って保管していた敵側兵士の個人的な手紙や日記の交換が行われています。(お金がない分、知恵とアイディアで協力を演出です!)
フィリピンとの関係について
●米国防省はアジア太平洋地域におけるプレゼンスの強化を検討しており、特にそれは豪州で進めつつある海兵隊のローテーション派遣のような形である
●同様な形をフィリピンや他の場所でも検討中である。
////////////////////////////////////////////////////
両国とも、中国との経済的な関係は深く、表だって米国との関係強化をぶち上げられない辛い立場ですが、少なくとも二股を視野には入れているようです。
それにしても・・カムラン湾とは懐かしさ懐かしさ一杯です。冷戦期に、確かソ連の大型爆撃機がプレゼンスを見せていた記憶が・・
シャングリラでは厳しい質問を浴びたパネッタ長官ですが、ベトナムとインドで少しは元気になっていただきたいモノです。
アオザイに惹かれ、フィリピンパブよりアオザイパブの方が日本で人気を得るのでは・・・などと不謹慎な事をつい考えいるまんぐーすと同等の皆様も、今週はインドとベトナムに注目です。
「米と比が軍事協力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-29-1
「ASEAN+にベトナムで参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11
「頑張れベトナム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-18