24日、国防省のリトル報道官が会見を行い、パネッタ国防長官がF-22に課していた飛行制限(高々度飛行の制限と基地から30分以内での飛行義務)の段階的解除を了解し、これを受けF-22部隊が嘉手納基地へ長時間洋上飛行を伴う部隊展開を行うと発表しました
パネッタ長官の飛行制限は、F-22操縦者がTV番組で「F-22の操縦が不安だ」と訴えたことが事実上の契機となったもので、5月15日に発せられていました。
リトル報道官によれば
●F-22操縦者に生じる低酸素症のような症状は、操縦者が高々度飛行時に着用するベストに装着された(酸素供給用の)欠陥品バルブとフィルターによって引き起こされたモノだと米空軍によって結論づけられた。問題のベストは交換され、フィルターは取り除かれる
●嘉手納へのF-22の移動飛行は段階的な飛行制限解除の一つの段階である。嘉手納への移動間は比較的低高度を飛行し、ベストを着用する必要はない。また近傍に着陸可能な飛行場を確保できるルートを選定する。また空中給油機が助言を行える位置で飛行する
●6月26日と7月6日に発生したF-22の緊急事態は、共に別の問題によって引き起こされたモノである。共に原因が判明し、処置されている。また、5名の整備員が地上のコックピットで整備作業中に頭痛等の症状に襲われた件は、エンジン運転中に流入した排気ガスによるモノと考えられ、整備手順を変更した昨年12月後は問題は発生していない
●昨年11月にアラスカでF-22が墜落して操縦者が死亡した件は、パイロットの操作ミスによるダイブ状態からの回復の遅れと報告されている
シュワルツ空軍参謀総長は
●昨年11月の死亡事故は、現在問題となっている酸素供給システムとは関係のない「悲劇的な出来事」であった。この悲劇は私たちの胸に残り続ける。
////////////////////////////////////////////////////
懸命な調査が行われていたのでしょうが、シュワルツ参謀総長が8月12日に退役交代する前に幕を引きたかったのだと思います。
F-22部隊や操縦者が騒ぎ出さないことを祈るばかりです・・・
オスプレイの騒ぎが収まらない間に、問題を抱えていたF-22が沖縄に飛来するのも辛いですねぇ・・・
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31