変貌・進化するRed Flag演習

Red Flag3.jpg19日付「Defense News」が無人機に新たな任務を」と題する記事を掲載し、米空軍の主要な演習であるRed Flag演習が、これまでの「戦闘機重視」から多様な脅威やA2AD環境を想定した演習に変貌しつつあると報じています。
記事は、ラスベガス北方の世界最大の演習空域で年平均3回行われるRed Flag演習は、過去10年間イラクやアフガンでの戦いを想定していたが、新国防戦略を受けて方向性に転換し、更に新ドメインや無人機の活用で新たな可能性や問題点を探る訓練になっていると記載しています
もちろん演習ですので細部への言及は限られていますが、米空軍が新たな脅威やA2AD環境を見据えて変化しようとしている様子が伺えます。
19日付「Defense News」記事は・・・
Red Flag.jpg米空軍戦術兵器学校(AF Weapons School)の指揮官は「我々は複数のドメインで我に対峙する敵を想定している。演習は困難な戦い、能力低下時の戦い、制約環境下での戦いを想定している」と語った。
●戦術兵器学校は、50年以上前に戦闘機操縦者の高等技術教育で始まったが、今や空戦にサイバー戦や宇宙戦を加味した訓練へと教育を拡大している
●戦闘機や爆撃機を複数の目標に向け飛行させ・・・といった演習が体に染みついた米空軍が、スノーモービルと同程度のエンジンを搭載した無人機を組み込むまでに進化しているのだ
●7月の演習では、これまで地上部隊に敵状のビデオ映像を提供してきた無人機プレデターが、初めて近接航空支援任務以外の弾道ミサイル捜索任務で参加した。無人機が得た情報は即座にE-3管制機に提供され、攻撃アセットに通報されたのだ
●従来の無人機は、A2AD環境では使いづらいと先入観をもって見られているが、演習でその能力を示すことで参加者の考え方を変革する役割が一番に期待されていた。
predator.jpg●空軍兵士は、プレデターのような無人機を強固な防空網環境でどのように使用するんだ??との疑問を持つだろう。しかし本演習を通じ、我々はその可能性を示し始めることが出来たのだ
●シンクタンク研究者は「無人機のような新技術は導入当時の初期型のイメージで理解されがちだが、無人機が対テロ戦争のみに有効だとの考えは典型的な誤りである」と主張している
●無人機以外にも、最近のRed FlagではGPS妨害やサイバー脅威が提示されることが多くなっている。
●平均年3回のRed Flagだが、その内1回は他の2回より長い3週間にわたって実施され、より宇宙やサイバー脅威が組み込まれ、我々の能力や装備の欠点に焦点が当たるようになている
●C-17やC-130と言った輸送機の参加も重要な要素になり、救難救助用ヘリの活動も当然のごとく組み込まれるようになった。
敵部隊を演ずる特別戦術部隊(special tactics squadrons)は、将来戦場で対峙するであろう戦闘機だけでなく、地対空ミサイルやサイバー、宇宙脅威も提供する。その指揮官は「今後もA2ADタイプの脅威に焦点をあて、無人機等新たな能力を評価することになるだろう」と述べた。
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Red Flag2.jpg記事のタイトル「無人機にあたらな任務を」が示すように、記事では無人機プレデターが如何にA2AD環境でも役立つかを検証し、参加者に示したかを紹介した以上に細かく強調しています。
細部何をやったかは明記されていません。しかし何かを始めたことは確かでしょう。
無人機だけではありません。「戦闘機重視:fighter-heavy」な演習から、宇宙やサイバー等、多様な脅威を想定した演習に変革しようする姿が明確に示されています。
Red Flag演習・・・確か日本もアラスカ開催の同種演習に参加していたような気がしますが、何を学んでいるのでしょうか???
「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「Cope Tiger2012」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-13
「RIMPACで海自幹部副指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-13

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