欧米以外で軍用無人機需要が急増中

MQ-4C4.jpg8日付「Defense News」が、過去10年無人機需要を支えてきた米国等西側の財政状況が厳しさを増す中でも、露中印韓ブラジル等の需要が今後は急増し、世界全体の軍用無人機需要や産業は引き続き右肩上がりであろうとの専門家意見を紹介しています。
形ばかりで言い訳のための「無人機研究」で誤魔化し、現役操縦者とその権益の擁護のために無人機を「日蔭者」扱いしているどこかの国は、この現状を素直に見つめ、国情に合ったあるべき姿を真摯に真剣に突き詰めていただきたいものです
記事「成長する無人機市場」は・・・
MQ-9.jpg今後10年間で、世界の無人機市場は6兆5000億円規模の需要を謳歌することになろう。各国が財政的な制約を受ける中でも、この市場は発展する市場である
●米国では軍事費削減の流れで、2012年度予算時点で今後五年間に3.3兆円を無人機に投資する計画であったが、2013年度予算編成段階で2.2兆円にまで縮小している。この間に海空軍の無人機計画が複数キャンセルされている
●現状で世界の無人機市場は年間9兆円規模で、米国はその中の約3.5兆円を占めている。今後5年間は米国の需要は低下するが、その後は新たな開発計画が出るだろう考える専門家もいる
過去5年間、米国は無人機予算で2ケタの伸びを記録し、世界需要の2/3を占めていた。しかし財政状況やアフガン等からの撤退でこの比率は維持困難である。欧州も同様に右下がり傾向にある
RQ170.jpg●一方で、自国開発能力のある露、中、印、韓国での市場は拡大する。中東地域での緊張を受け、中東でも多くの国が無人機能力の獲得拡大を検討してる
南米でも、ブラジルが将来の主要プレーヤーとして浮上してきている。ブラジル空軍が独自に無人機能力を確立しようとしている
●今後は無人機に、ステルス性、高度な自律性、より強い推力を求めるであろうから、ボーイングやロッキードマーチンのような大企業が優位になるであろうまた、民生部門への多角化についても、軍需産業は検討を進めている。
●ちなみに、米空軍の目玉である次期爆撃機(LRS-B)は1機400億円程度で、空軍は80機以上を要望しており、2030年までの計画となっている
/////////////////////////////////////////////////
X-47B.jpg頂戴するコメントやメールで、「無人機かぶれ」と言ったご批判をいただくことがありますが、全ての有人機を無人機に置き換えろ・・などと主張しているつもりは毛頭ありません。
陸自が使用している模型飛行機のような監視用無人ヘリを除き、防衛省・自衛隊が無人機の活用を「実質無視」している点を懸念しているのです。
そしてその根本的な背景に、軍事的合理性ではなく、現役操縦者とその組織権益の擁護が見え隠れすることを強く懸念するが為、世界における無人機の状況をご紹介したまでです。夏休みの宿題にしておきましょう。
「米無人機の再勉強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-05
「有人無人両用のISR機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-10
「暴露ビンラディン作戦細部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-03
「なぜアフガンに無人ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-28-1

タイトルとURLをコピーしました