米空軍事業の柱:KC-46A生産へ

KC-46.jpg17日付「DODBuzz」が、米空軍の3つの最重要事業(次期爆撃機とF-35とKC-X)の一つである次期空中給油機導入について報じています。ちなみに、現空軍参謀総長は最重要3つを並列で上げていますが、シュワルツ前参謀総長は記者団の質問に対し「一番がKC-X、次がF-35」と語っていました
報道自体はシンプルですが、これを機に米空軍の抱える空中給油機をめぐる課題をご紹介します。
17日付「DODBuzz」記事は・・・
KC-46A.jpg●米空軍の空中給油機計画責任者であるトンプソン少将は、「ボーイング社はKC-46空中給油機の納入に向け、引き続きスケジュール通りに順調な状況にある」と述べた
●具体的には、本格的生産の第一歩としてブーム(boom:給油機と受け側をつなぐ送油パイプ)の生産を開始した
●ボーイング社は老朽化が進むKC-135の後継として、2017年の18機納入を皮切りにKC-46を空軍に提供するが、2013年に次の関門である「Critical Design Review」を迎える
●9月の空軍協会総会では、空軍幹部が同計画を「価格固定契約による装備品調達の手本」として持ち上げていたが、予算の強制削減(sequestration)が発動されれば、固定価格契約の前提を見直す必要が生じて価格高騰につながる可能性もある
給油機が最重要課題である背景
KC-135.jpg老朽化が進む主力空中給油機KC-135の維持が困難になりつつあり、維持や延命のため、給油任務や訓練での飛行1時間当たりに対し、7~10時間の整備時間が必要との予想もある
●これに伴って維持経費が高騰し、KC-135だけの維持に年間5600億円が必要になると想定されている
●米空軍の輸送コマンド司令官が「空中給油機の健康状態は最低水準で、継続悪化中」と表現するほど
比較的「新しい」KC-10空中給油機でも既に就役後25年が経過しているが、KC-46の導入が順調に進んでも、KC-10は2045年頃まで運用させる必要がある見積り
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対中国を見据え、Resiliency(強靭さ)を確保するために戦力の分散や遠方からの作戦を考えている米軍ですが、広範に分散して遠方に所在する戦力を戦場に投入するために、空中給油機は欠かせないアセットです。
沖縄や西日本の作戦基地が脆弱である状態は、日本がもっと意識すべきだと思うのですが、日本の国防投資には空中給油のメニューは見当たりません 戦闘機だけです・・・
まったく理解できません
「KC-X最終決定 泥沼回避か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

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