統合作戦の「Capstone Concept」発表

Dempsey-1.jpg9月28日、デンプシー統合参謀本部議長が新国防戦略(DSG)を踏まえた新しい統合の作戦コンセプト「Capstone Concept for Joint Operations:Joint Force 2020」を発表しました。
要するに、大統領から示された国防戦略に沿い、統合運用を中核とする米軍の4軍は、この方向で各種作戦に備えた準備をして実行できるような軍を2020年目途に作り上げよう、とのコンセプトです。
本文は16ページ余りですが、この種の文書特有の複雑に入り組んだ修飾関係と優れた軍を表現する形容詞が乱発の睡魔を誘う書きぶりとなっていますので、発表を紹介する国防省web記事から「その心」をご紹介します
国防省web記事は同コンセプトを・・・
●同コンセプトの中核となる考え方は、地球規模で融合した作戦遂行であり、これが2020年の統合部隊の形成組織に適応される
●またコンセプトは、不透明で未知な脅威に直面するに際し、軍事組織の機敏さ(agility)と柔軟性を重視している
●デンプシー議長はその序文で、破壊技術がより広範により深く敵対国に拡散し、結果としてより潜在的に危険な世界になっている、と述べている
FlynnLTGMC.jpg同コンセプトを担当したフリン統合戦力開発部長(海兵隊中将)は説明ブリーフィングで、多様な脅威に対処するため、世界に展開する米軍は同盟国等と迅速に連合の能力発揮を求められ、ドメイン、組織形態、地理的境界、組織属性を超えた柔軟な活動が重要になる、と語った
●また同中将は、鍵となるのは同盟国等とのネットワークが、時間や空間に応じて極めて流動的に形成・離合集散が行えることにある、との説明した
●そして事象の進展はより速くなるので、軍は脅威や課題の速度に応じて活動できる能力を身につけなければならない。
●「地球規模で融合した作戦遂行」には8つの要素がカギ
Mission command
新たな環境を理解する指揮官の養成
Seize, retain and exploit the initiative
作戦のテンポを掌握コントロールする立場を確保
Global agility
地球規模で敏捷性を発揮できる能力
Partnering
米軍が縮小する中で、同盟国、他省庁、国際機関との連携が重要
Flexibility in establishing Joint Forces
上記連携を模索する際には柔軟な発想・対応が重要
Cross-domain synergy
新しいサイバーや宇宙ドメインでの優位に、他ドメインを活用
Use of flexible, low-signature capabilities
目立たないサイバー、宇宙、特殊作戦、ISR、global strikeが将来重要な役割を
Increasingly discriminate to minimize unintended consequences
予期しない派生的影響の極限のため、より精密な作戦を
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DempseyCapstone.jpgこの記事を読むだけで眠気を催した方もいるのでは・・・。しかし小さなことからコツコツと・・ですので、基礎資料としてご紹介しました
「low-signature capabilities」の活用など、米軍がハイエンドな紛争対処でも非対称戦分野に踏み込んでいく「宣言」として記録されるのでしょう。
同コンセプトのファイルは730KBです→http://t.co/G2YTuzVo
「ハーバードで脅威の変化を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-16
「統合のドクトリンを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-29
Twitterもよろしく→https://twitter.com/Mongoose2011

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