3つの話題を取り上げます。
陸軍特殊部隊と海兵隊のアジア追加配備!?、F-22操縦者の問題は装備じゃなくて人間の限界!?、更に米国対中国は「影響力競争だ」の3本立てです。
陸軍特殊部隊と海兵隊のアジア追加配備!?
24日、国防省の政策担当首席次官補であるヒックス女史(Kathleen Hicks)が、出身組織のシンクタンクCSISで米国防省のアジア太平洋戦略について講演し、「rebalancing」に伴う今後の変化について示唆しました
●米軍がアフガンから帰還することを受け、世界的なリセットを行うが、太平洋地域へのプレゼンスと配置を優先して考える
●この施策には、陸軍特殊部隊を太平洋軍隷下に置くことや、海兵隊の帰還部隊を(太平洋地域に所在の)第3MEFに配属することが含まれる。
●既にパネッタ長官が(シャングリラ・ダイアログで)発表した海軍戦力のシフト(太平洋:太平洋を現在の5:5から、2020年までに6:4にシフト)も行う
●地域での関係国との訓練もさらに強化する。例えば先日、インドネシア空軍が初めて米タイ豪の共同戦闘機訓練(Pitch Black:豪北部で実施)に参加してくれた
F-22操縦者の問題は装備でなく人間の限界!?
19日、空軍戦闘コマンド(ACC)司令官のホステイジ大将(Mike Hostage)が空軍協会総会で講演し、F-22操縦者に発生した「低酸素症のような症状」の原因について、「戦闘機操縦者のボス」であるACC司令官が、今頃こんなこと言っていいのかな??の発言です。。
●F-22操縦者の症状への対策として酸素供給装置のバルブ交換等が実施されているが、本当の機材的な問題が原因なのか確信が持てない。人間生理学上の問題、つまり航空機の性能が人体の限界を超えたからではないかと考えている
●我々が作り上げている航空機の変化は、我々人間の受け入れ能力を凌駕しているのではないか
●空軍のテストによれば、操縦者を遠心加速器に入れて飛行の状況を再現すると、操縦者は同様の症状を示すのである。
●F-22に施された対策が効果を持つのか、F-35の操縦者にはF-22のような症状が現れないのか、空軍の指導層も「まだ解らない」状態である
●5世代機に取り組んでいる敵対国がこの状況をよく観察してくれ、恐れおののいてくれると良いのだが。
米国対中国は「影響力競争だ」
19日、太平洋空軍司令官(Herbert Carlisle)は空軍協会総会の「大将セミナー」に参加し、中国軍との関係や状況に触れました。25日付AF-Magazine記事
●南シナ海や東シナ海で中国との軍備競争をやっているわけではない。しかしその地域への影響力やアクセスに関し競争(competition)はある
●中国は明らかに地域勢力であり世界のライジングパワーである。これに対し米国は現存する世界パワーである
●当該地域の国々が中国とも関係を持っている中で、米国が同じ国々と関係や影響力を維持していくのは極めて複雑な任務である
●米国が南シナ海の公海やその上空での航行や飛行の自由を語ると、中国はこれを「封じ込め」や「囲い込み」と表現し、米国が当該地域を「裏庭化」すると主張する
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陸軍特殊部隊や海兵隊がどのような形で太平洋軍に追加されるのかに注目です。フィリピンでしょうか?
5世代戦闘機の操縦者への影響関連の発言は、発言の全体が見えませんが、ちょっと立場上問題(無責任!?)だと思います。
同司令官ポストは、戦闘機パイロットの「上りポスト」ですが、言えばいいってもんじゃないと思いますが・・・。しっかり確認しないと現場に不安を与えるだけですから・・。
こんな発言を許しているから「空軍は信頼されていない」などと言われるわけです。
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「バランスのとれた軍を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09
「空軍は単に飛んでいたいのか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「パネッタ長官シャングリラへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
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