CSBAの新レポート:国防投資の重点は?

CSBA-choice.jpg27日、シンクタンクCSBAが新たなレポートを公表し、厳しい財政状況の中、国防投資をどのように選択して行うかについて提言を行っています
レポートは本年夏にCSBAが中心になって実施した「一連の机上演習」の結果と取りまとめたモノで、演習には超党派の議員、国防省職員、軍事専門家、退役軍人、軍需産業関係者、シンクタンク研究者等々が7つのチームを形成して参加したようです
演習では、強制削減「sequestration」と同程度の予算削減が行われた場合の選択肢を、一律でなくカットではなく、「意味ある」選択が出来るとの前提で検討が行われたようです。
harrisonCSBA.jpg具体的には、今後10年間を対象として、現在議論されている300以上の多様な国防政策の追加・削減オプションを、新国防政策を前提としつつ吟味したようです
レポートの名称は「Strategic Choices: Navigating Austerity」 著者はお馴染みのTodd HarrisonとMark Gunzingerです
レポートの結論部分の概要は・・・
●国防省は引き続き、特殊部隊、攻防両方のサイバー戦、有人及び無人の長距離攻撃機、水中艦等に厳しい財政下でも投資を続けるべき。これらの分野は「crown jewels」とも呼べる重要分野である。
●一方で、F-35の購入機数を削減すべき。一つのチームはF-35計画の中止を提言、他のチームも今後10年間の範囲でも120から320機の調達機数削減を行うべきと提言した
CSBAGunzinger.jpg●将来の領域拒否(AD)環境における強力なGPS妨害や地対空ミサイルを考慮し、イラク・アフガンで多用した脆弱な無人機の機数は削減すべき
●7つ全てのチームが、国防省全体の人員削減を提言した。文民と軍人の両方であり、特に従来の地上兵力の大幅削減を主張した
●また全てのチームがステルス多用途無人システムへの重点投資と増加を主張した。米空軍の次期長距離爆撃機がこの代表である
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レポートの概要だけで細部は不明ですが、このような議論(演習・集中検討会)が行われ、レポートの形で提示される仕組みが今ほど羨ましいと思うことはありません
特に、最近の日本のプレスを賑わしている人相の悪い顔ぶれと野合のニュースの中では・・・。
安全保障関連もさみしい議論ばかりで・・・遠目涙・・・
CSBAの情勢認識と対応
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「補足米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-2

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