15日、タイを訪問したパネッタ国防長官は「米タイ防衛同盟に関する2012 Joint Vision Statement」に署名した後、Suwannathatタイ国防相と共同会見に臨みました。
「50年ぶりの仕切り」とタイトルに付けたのは、米タイ軍事同盟の「最新」の公式ステートメントは、1962年に発表された「共産主義と闘う」ことを謳ったものだったからです。
半世紀ぶりだからといって両国軍事関係が「錆ついて」いたわけではありません。むしろアジア諸国の中で最も進展著しい国の一つです。「ほほえみの国」ですから、形にこだわらず、実質的中身を充実させるお国柄なのかもしれません
例えば、タイ主催で米軍も深く関与している世界最大級の多国間演習「Cobra Gold」はアジアの主要演習であり、またCARATと呼ばれる米海軍・海兵隊とバングラ・ブルネイ・カンボジア・インドネシア・マレーシア・フィリピン・タイの順次2カ国演習もタイが支えています
また本夏にはタイ国防省が2日間にわたる会議を開催、米軍のアジア太平洋「リバランス」でタイがどのような役割を果たすべきかを集中討議し、その結果の一つとして「50年ぶりの仕切り」に結びついたと米国防省web記事が紹介しています
パネッタ長官は共同会見で
●私とSuwannathat国防相は、米タイ同盟を21世紀に向けて前進させた。「Joint vision statement」への署名は、米タイが共に本地域で将来直面する脅威や課題に適応するための軍事協力を強化するものである
●オバマ大統領が米国と本地域の関係強化に関与を表明する中、今週後半からバンコクを訪れ、タイとの関係が米国の本地域での取り組みの中で重要な位置にあることを示すことになる(なお大統領は、ミャンマーとカンボジアも訪問)
Joint vision statementの4つの鍵
— Partnership for regional security in Southeast Asia
— Supporting stability in the Asia-Pacific region and beyond
— Bilateral and multilateral interoperability and readiness
— Relationship building, coordination and collaboration at all levels
同行の国防省高官は・・・
●タイ側からは数多くの関係強化案件の要望が出ている。訓練の増加、米軍学校(技術、戦術、戦略レベル)への留学、運用面での協力進化等々の要望である
●両国国防省関係者は、この数か月間ミーティングを重ね、相互に訪問して両国関係のさらなる活性化に努めてきた
●6月にはデンプシー議長、7月のカーター国防副長官、10月にはロックリア太平洋軍司令官が訪タイし、同じ10月にはタイの代表団が国防戦略対話のためワシントンを訪問している
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なぜ50年間新たな文書等が出なかったのかは不明ですが、それでも軍事同盟が進展する国家像には、良い意味で恐れ入ります
今は少し異なっているようですが、「クーデター」と言う言葉が決して悪い意味を持たない、また国王を中心に和解が出来る社会を持った国でした。
民主主義と国王の存在が絶妙なバランスを持って共存していた、アジアらしい社会がタイには存在したのですが・・・
「豪で宇宙監視協力を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「カムラン湾歴史的訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-04
「パネッタ長官シャングリラ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24