最近の米軍プレゼンス:広く薄く
7日、第8空軍司令官は、来年からB-2爆撃機を太平洋軍だけでなく、中東、欧州、南米等々の各地域コマンド地域に短期間ながらローテーション派遣させる計画であると語りました
なお、第8空軍司令官はGlobal Strike Command(GSC)隷下の爆撃機専門のナンバー空軍で、B-2とB-52爆撃機を保有する部隊の指揮官です。ルイジアナ州Barksdale空軍基地に司令部と爆撃機部隊を保有しています
9日付Daily-Archivesでウィルソン司令官は
●来年から我々のB-2爆撃機を、少数機毎ではあるが全世界の前線基地へローテーションで派遣する。
●年に2~3回、それぞれ数週間づつの派遣を考えている
●GSCはかつてB-2爆撃機をグアム島のアンダーセン基地にローテーション派遣していたが、2008年に離陸時の事故で、2010年にはエンジン火災で貴重な機体を損傷したため、派遣を止めていた
●しかし我々は来年から新しい方式を始めようと思う。演習参加のため、短期間の太平洋地域派遣を手始めに、全ての地域コマンド司令官の元に同様の派遣を行いたいと考えている
●太平洋軍以外にも中央軍、南米軍、欧州軍は常備の爆撃機部隊を保有しておらず、各司令官は爆撃機との定期的な演習や訓練を望んでいるからである
●このローテーション派遣は、地域軍と我々双方により良い効果をもたらす
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米空軍はB-2爆撃機を20機程度しか保有しておらず、定期修理や突発的な故障等で飛行不能な機体も多いことから、常に使用できるのは14機程度なようです
「B-2爆撃機の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-05
そんな中とは言え、年に2~3回、それぞれ数週間の展開訓練を大げさに宣言されても困ってしまいます。でもこの方式は最近の米軍の流行です。
兵員数や機数や装備品数を削減しなければならない中、ローテーションでプレゼンスや関与をアピールする手法は、海兵隊や米空軍の豪州ローテーション派遣で見られる手法です
「豪に米爆撃機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23
常時配備だった陸軍部隊が削減される欧州軍でも、陸軍のローテーション派遣でプレゼンスの「穴埋め」が計画されています。
在日米軍だって、嘉手納のF-15がアラスカで領空対処任務に付いているように、実質の「空洞化」や「ローテーション化」が進んでいます。
「嘉手納F-15がアラスカで領空対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04
無論、在日米軍空洞化の背景には、中国軍事力の増強近代化に応じた米軍アセットの残存性向上ねらいがあるのですが・・・
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