F-35 Lightningの課題は軽量化

F-35canada.jpg「Lightning」と「軽量化」を掛けたDefenseNews記事の「洒落タイトル」なのですが、種々のトラブル対処で機体が重くなった穴埋めに、安全性や残存性を犠牲にして機体の軽量化が図られているとの指摘です。
山のようにあるF-35関連問題の中でも、ちょっと気になる安全性の話ですのでご紹介いたします
わずか5kg(11ポンド)軽量化のために・・
●F-35が取って代わろうとする旧式航空機より脆弱なF-35にしてしまっている
●国防省のOT&E(Operational Test and Evaluation office)の最新の報告書によると、燃料タンク内の酸素濃度を管理するシステムがお粗末なため、F-35が戦場で攻撃を受け被弾等した場合、エンジンが爆発する可能性がある
●軽量化のため取り外した「fueldraulic fuses」と「PAO shutoff valve」は、機体が被弾した際に燃料爆発を防ぐ役割を果たすものだが、2008年の決定により取り外され、運用要求書の「旧式航空機よりすぐれている」との要求を満たさなくなっている
F-35Cformation.jpg●「fueldraulic fuses」は9ポンドで、「PAO shutoff valve」はわずか2ポンドだが、OT&E報告書は「脆弱性が25%増加した」と指摘している。
●PAOバルブは操縦席の真下にあって操縦者の命を守る装備であるが、F-35計画室は「受け入れ可能なリスクだ」として再搭載の計画はない
●また燃料タンクのベント装置がお粗末で、2万フィート以下での降下率に制限を受けているため、戦闘場面で使い物にならないような制約を課されている。
空軍用A型の主翼やエンジンで「亀裂」
●またOT&E報告書は、空軍用A型の右主翼と右エンジン等で「亀裂」の発生を確認し、垂直離着陸用B型でも機首部分で「亀裂」を認めている
●今後「亀裂」対処のため、設計変更や補強のため機体重量の増加が予想される。
●通常このような報告書は、問題点を指摘しつつも試験の継続で問題を解決すると記述する。
●しかしその問題がどの程度深刻かは、試験を行ってい入るテストパイロットが一番認識しているはずだ。彼らの生の声を聞くべき
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F-35transonic.jpg専門的な話で恐縮です。「氷山の一角」的な話だと思うのですが、予算の強制削減や尖閣問題や自民党政権の防衛費増額の陰で、「亡国のF-35」問題が霞んでいる現状を懸念し、取り上げました。
Defense-Newsの記者が「Lightningの課題は軽量化」と洒落を言わなければならないほど、明るい話題がないF-35・・・。
F-35は足を突っ込めば突っ込むほど「泥沼に沈んでしまいます」。大人の付き合いは程々に、早期の出口戦略立案が望まれます。
F-35の共同開発国9カ国の一角であるトルコもついに契約延期を決定。11日、トルコは最初の2機の購入を延期すると宣言。「計画の遅延、価格の高騰、要求レベルに満たない性能」と理由を遠慮なく断言・・→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-12

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