カーター副長官が4カ国訪問を語る

carterFrance.jpgパネッタ長官の退任式や強制削減を巡る攻防、次期長官候補を巡るゴタゴタ等々の中、カーター副長官は6日までの6日間で欧州中東で課題を抱える4カ国を駆けめぐり、長官交代に伴う軍事外交に穴が開かないよう懸命の努力を行いました。
ヘーゲル次期長官候補の承認目途が立たず、カーター副長官の繰り上がり長官就任案も取りざたされる中でもあり、海外歴訪の概要をご紹介します
まずパリでは・・・
マリにおける軍事作戦で、仏が政治的決着を含む明確な戦略を持って活動していることを確認し嬉しく感じた。
●バマコの政府と北部地域を支配している反政府組織間の決着はマリの将来の一部であるが、マリ治安組織が自分たちで国内治安を確保できるよう能力向上する事の支援も重要な施策の一部である
第49回ミュンヘン安全保障会議では
carterMunich.jpg欧州諸国に厳しく批判。国防支出が低下し、各国が独立した作戦を実行できないレベルにまで能力が低下する可能性がある。この状況は欧州の安全保障における歴史的役割と合致しない。
●仏はマリで独立した作戦を遂行できているが、他の国はほとんどこのようなことが出来ない。仏が更に国防費を削減したら、仏も同様な状況に立ち至るだろう
●ただ今時、欧州だけでなく米国も政治的デッドロックに直面し、もし解決しなければ破滅的な結果を米軍にもたらすことになる。(このように米国防省幹部が米国防費の問題を外国で認めたのは初めて
●(本会議の合間のバイ会談では・・)インド安全保障補佐官と米印軍事協力の推進に関する協議を行い、両国間の軍事貿易管理を容易にする方法を話し合った
●インドは米製武器の購入だけでなく、共同開発や共同生産した装備の共同輸出までも希望している。インド国内でC-130J輸送機を共同生産しているのが良い例である
米大使館への爆弾テロ直後のトルコでは・・・
carterTurkey.jpg●NATOが派遣した米軍を含む地対空ミサイル・パトリオット部隊の準備状況をシリアとの国境地域で確認し、準備に当たる米軍兵士を激励した
●同対空ミサイルは、米軍以外に独とオランダから派遣されるモノである
●首都アンカラ到着直前、同地の米大使館ゲートでテロリストによる仕掛け爆弾が爆発したが、カーター副長官は両国関係の重要性に鑑み、予定通りアンカラを訪問した
シリアと国境を接するヨルダンでは・
carterJordan.jpg●米国からの支援装備である国境監視カメラ等の装備が機能していることを確認できた。ヨルダンは同地域に国連の援助も得て、難民キャンプを開設している
シリアの事態悪化に備え、米軍とヨルダン軍関係者が共同で対処計画を議論しているが、この状況も確認できた。若い米軍兵士もいたが、彼らが前線で頑張っている姿に強い印象を受けた
アブドラ国王に謁見する機会を得たが、国王の地域情勢に関する深い理解と洞察力に感銘を受けた。近く予定されている国王の米国訪問とオバマ大統領との会談に向け、良い準備が出来た。
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carterPatriot.jpg今週は、強制削減対応に関し、議会の軍事委員会や予算関連委員会に連続して登場しているカーター副長官ですが、国防省を仕切る実務面での実力は十分なモノがあります

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