8日、パネッタ国防長官の離任式典が米軍基地の室内ホール(体育館?)で行われました
直前まで上院軍事委員会で強制削減のダメージを訴え、米リビア大使館でのテロ事件の質問に答え、更に恐らく8日が提出期限の強制削減への国防省対処計画をホワイトハウスに当日提出した直後の「バタバタ」式典だったような気がします
室内だったのは大雪の影響で、大統領や統合参謀本部議長の出席、全軍の儀仗兵等々・・・場は整っているのですが、次期国防長官の選定が難航し、予算の強制削減が現実味を帯びる混乱状態の中で、なんとなく寂しさの漂う雰囲気です
この式典の位置づけが良く分かりません。後任者が決まっていないため、今月末までは職務を継続するとの報道もあり・・「モヤモヤ感」に拍車を
しかし陸軍中尉として、議員として、ホワイトハウスのスタッフ長として、政府の予算編成リーダーとして、CIA長官として、そして最後に国防長官として、国家に尽くした50年間です。拍手を持って見送りたいと思います。
オバマ大統領は式典で
●政府が最初に国防長官就任を要望したとき、彼の反応はシンプルに「No」だった。しかし私は依頼し続けた。私は執拗に食い下がった。私がミシェルと結婚したときのように
●私は望みをかなえることが出来たが、彼が最後の公務を引き受けてくれたのは、レオン(パネッタ長官のこと)の愛国心と国民としての義務感の現れである。
●カリフォルニアの農場からCIA長官として戻る決意をしてくれた際もそうだったと思う。そしてその責任感と指導力がアルカイダに対して強烈な打撃を与え、ビンラディンに正義の審判を下すと言う史上最大のインテリジェンス作戦の成功に導いた
●彼は幼いころ、両親がWW2に赴く兵士を家に迎え入れた記憶を鮮明に刻んでいる。そしてその思いが彼を陸軍士官に導き、また彼の息子をアフガンに派遣させた。
●そして彼は第23代の国防長官として、唯一つの目標を心において全ての決断を行ってきた。それは前線兵士のケアと米国の安全を維持することである
●パネッタ長官在任間、負傷兵へのケア、軍人家族へのサポート、退役軍人の一般市民社会への転進支援の面で格段の進展があった。また同性愛者に対する「聞かない、言わない」政策撤廃の最後の詰めも行ってくれた
●(奥さんの)シルビアさん、あなたの犠牲の上に彼の国家への忠誠は果たされたのです。今度こそ彼が故郷に帰ることが出来ると約束します
●レオン、あなたの両親であるイタリア移民の夫婦が望んでいたように、チャンスを与えてくれた国に立派に恩返ししたあなたをご両親が誇りに思うことは間違いない。
●そしてあなたはアメリカンドリームが未だ健在であり、あなたの子供や孫だけでなく、全ての子供や孫たちのものであることを明らかにしてくれたことを永久に感謝します
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見方によっては如何にも米国らしい送別の辞ですが、史上最高齢で国防長官を引き受けたパネッタ長官の決意や心情は、オバマ大統領の言葉が正確に表現していると思います。
「アメリカンドリームとは、自分の子供や孫に、より良い生活をさせてやりたいとの願いをかなえることである」
The 23rd Secretary of Defense Leon E. Panetta
パネッタ前長官の思い
「リーダーは困難な決断を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「運命の傍観者たることを拒む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07
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