中国軍の爆撃機を巡る噂あれこれ

最近、中国がロシアからTu-22M3(バックファイアー)戦略爆撃機やSu-34戦闘爆撃機を購入するのでは・・・との噂が報じられていますが、その辺りについて31日付Defense-Newsが複数の専門家の見方を紹介しています
専門家名は省略し、種々の見方を列挙してみます
まず、確認されている事項は
H-6K.jpg●H-6中距離爆撃機(Tu-16の中国版)は、エンジンやレーダー等が換装されたH-6Kにアップグレードされている。これにより航続距離が3500kmに伸び、対地及び対艦巡航ミサイルが搭載できるようになった
●また現在、射程400kmの超音速対艦ミサイルYJ-12が搭載できるよう改修が始まっている。同対艦ミサイルはJH-7戦闘爆撃機やJ-11戦闘機への搭載改修が行われている
Tu-22Mの中国購入について
TU-22M.jpg●中国は10年以上前に、Tu-22Mの購入ではなく、H-6の能力向上を選択している。今更Tu-22Mの購入は考えられない
過去10年、噂は何回も浮上しているがまずあり得ない。Tu-22Mの生産ラインは約20年前に閉鎖されており、大金を投入してラインを再度立ち上げる必要性はない。米国にB-1BやF-111の生産ラインを立ち上げるようなもの
●ただ、ロシアは50機ほど必要性の低いTu-22Mを保有しており、技術研究用の見本として売却する可能性が無いわけではないが、大規模な取引は考えにくい
JH-7戦闘爆撃機はTu-22Mと同レベルの搭載量があり、より小型で発見されにくく、あえてTu-22Mを導入する理由がない。
●むしろ中国は、AS-6 Kingfish対艦対地巡航ミサイルに関心があるのではないか。かつて中国はSS-N-22 Sunburns対艦ミサイルを導入したいが為、ソブレメンヌイ級駆逐艦とセットでロシアから買わされた経緯がある
Su-34の購入について
Su-34.jpg●中国はJH-7のステルス性を増したバージョンを開発中で、またSu-34戦闘爆撃機のコピーであるJ-17も開発中と言われている。これらはSu-34の購入を否定する動きである
●なおJ-17は1998年のエアショーで風洞実験の映像が初めて紹介されたが、その後2008年まで何の情報もなかった。現在でも研究や生産がおこなわれているのか明確な情報はない
●でも、ロシアが仮にアムール型潜水艦、Su-35戦闘機、S-400地対空ミサイルなどを中国に売りたいと考えているようであれば、Su-34gaそのリストに加わるかもしれない
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中国軍内でも方向性が決まっているわけではなく、様々な考え方があり、派閥があり、勢力争いをしながら紆余曲折を経て落ち着くところに落ち着く・・ような気がします
でも、様々な専門家の見方がありながら、優秀な対艦・対地ミサイルを攻撃力の中心に置く点では共通しています。単純明快、これぞ王道です
ロシアは中国が何でも無断でコピーするので怒り心頭のはずですが、大量に購入してくれれば大目に見るんでしょうか
「中国新輸送機Y-20の評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-29
「映像と評価中国ステルス機J-20」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-30
「中国の新ステルス機?J-31」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-02

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