大荒れのヘーゲル氏議会公聴会

Hagel2.jpg1月31日、次期国防長官候補であるヘーゲル氏が米議会・軍事委員会の公聴会に登場しました。
4日の週に行われる承認投票に先立って行われる「人物評価」の場ですが、当初からヘーゲル氏を批判的に見ている議員が多く、辛らつな言葉が飛び交い、かつ7時間にも及ぶ異例の長さの刺々しいモノとなった模様です
ヘーゲル氏反対派が気に入らないのは・・・
●イラク戦争開戦時は賛成していたのに、「Surge:兵力増強」に強行に反対したから
イランに対し、常に経済制裁を主張し、軍事オプションに反対しているから
イスラエルへの支援姿勢が弱いから
●共和党の人間を、ゲーツ元長官に続いて民主党政権で活用する事が気に入らない・・・等々
「ヘーゲル氏をご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-08
本日はこの大荒れ公聴会を様子を、拓殖大学の川上高司教授のブログ(2月1日記事)からご紹介します
7時間に及ぶ元同僚同士の激突 滅多にないほど荒れた公聴会
Kawakami2.jpg●1月31日、ヘーゲルの公聴会が開かれた。軍事委員会の委員長はジョン・マケインで、指名発表当時から敵意をむきだしにてヘーゲルの指名を批判してきた。他の委員会のメンバーも程度の差はあれヘーゲルをたたきつぶそうと手ぐすね引いてこの日を待っていた。
●予想通り公聴会はヘーゲルと委員会が激しく激突して荒れた展開となりしかも7時間という長丁場になった。特にマケインの口調は攻撃的でヘーゲルの発言をしばしば遮り、やや感情的に「イエスかノーで答えなさい」と迫る場面が多かったようだ。
それに対してヘーゲルは、発言を遮られても落ち着いて「イエスかノーで答えられるものではない。もっと複雑だ」と切り返していた。
他の委員の質問も攻撃的で、ヘーゲルの過去の政治的言動や投票結果を逐一上げて揚げ足を取るものもあれば、「イランがなぜ君の国防長官就任を期待しているのかね」とおよそ本人には返答できない質問も飛び交った。
●マケインとヘーゲルは2007年にブッシュ政権のイラクへの増派をめぐって意見が分かれた。ヘーゲルはブッシュの増派に反対で「外交政策上最悪の失敗になりかねない」と批判した。これに対してマケインは増派には賛成していたので両者は真っ向から対立した。
●その後2008年の大統領選挙では大統領候補だった同じ共和党のマケインではなく、ヘーゲルはオバマを支持したためいっそう険悪な関係に陥ってしまったのだ。
Hagel.jpg●今回の公聴会でその「外交政策上の失敗」発言にこだわったマケインはイラクへの増派を「正しいと思うか否か」と激しく迫ったのに対して、ヘーゲルは「そういう問題ではない。それは歴史が判断することです」とかわして切り抜けた。もっとも世界を相手にする国防長官ともなればこの程度の攻撃は返り討ちにするくらいタフでなくては務まらないだろう。
●ヘーゲルへの投票は来週行われるが、この荒れた公聴会をヘーゲルがうまく防戦したと評価するか終始押され気味で弱気だったと評価されるか。投票が終わってみるまではわからない
●そしてこの公聴会はCIA長官に指名されたブレナンの公聴会も厳しいものになることを示唆している。議会はまさにオバマ政権に立ちはだかるグレート・ウォールである
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イラク増派を巡るヘーゲル氏の発言
●増派期間に米軍兵士1200名が命を落とし、数千人が負傷した。
●それは本当に求められたことだったのか? 必要だったのか? 私には判らない。それが必要だったと確信が持てない
●今の段階で、私が正しいと言っているわけではない。私は間違った投票行動をしなかった、と言うつもりも無い。でもその疑問が私を導いている。
Was it required? Was it necessary?” he asked. “I’m not sure. I’m not that certain that it was required. Now, it doesn’t mean I’m right. It doesn’t mean I didn’t make wrong votes. But that’s what guides me.”
hagel3.jpgヘーゲル氏のことを良く知らないのですが、個人的にはヘーゲル氏の姿勢に共感するものがありますし、反対派にはちょっと・・な気がします。
イランやイスラエルに関しては、大統領や政府の方針を淡々と説明し、その方向に沿って行動すると述べています。承認投票に注目です

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