サイバーで初の「中国」名指し公式批判

Donilon4.jpg11日、オバマ大統領の安全保障補佐官Tom Donilon氏は「Asian Society」での講演で、米国政府として初めて名指しで中国の米国政府機関や民間企業へのサイバー攻撃を厳しく批判しました。
そして併せて、中国に求める3つのステップを明示し、米国とのサイバー分野における関係改善努力を要求しました
これまで米政府高官は、中国とサイバー関連で議論すべき課題があると言った程度の言及にとどめていました。
本年の一般教書演説でもオバマ大統領は、「他国や他国企業が米国の情報を盗み、わが電力供給網、金融システム、航空交通管制システムを脅かす能力獲得を目指している」と強い警戒心を示しましたが、決して中国を名指しはしませんでした
しかし11日の大統領側近の発言は、米政府がサイバー問題での対中国の姿勢を一段引き上げたことを示すものと認識され、米国内外で大きく報道されています。
Donilon安全保障担当大統領補佐官は・・・
Donilon3.jpg●我が国のビジネス界は、中国を発信源とする巧妙で執拗なサイバー攻撃により、非公開の業務情報や技術情報が盗まれる懸念をこれまで以上に訴えている
●大統領以下全ての政府関係者にとって、本サイバー攻撃は、中国と議論する際のガキとなる懸案事項となっているし、今後もその状態が続くだろう
●米国は、国家ネットワーク、重要インフラ、官民の重要財産を守るため、あらゆる手段を尽くす。
●米国は中国に対し、サイバーに関する関係改善のため、以下の3ステップを求める
—まず、本問題の緊急性、問題の大きさ、その与える世界貿易や中国の評判や米中関係に及ぼすリスクについての共通認識の確立
—次ぎに、中国が真剣に捜査し対処することにより、これらサイバー活動を停止させること
—最後に、サイバー空間における行動規範作成のため、中国が米国と建設的な直接対話に取り組むこと
●世界で最も大きい米中両国の経済が、インターネットに大きく依存していることを考慮し、両国が共に協力してサイバー犯罪との戦いをリードしなければならない
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Donilon2.jpg上記講演内容を報ずる12日付Defense-Techは、毎日数千のサイバー攻撃がホワイトハウスを襲っているが、その多くが中国発であること、また昨年9月の過去最強のサイバー攻撃は、ホワイトハウスの軍事担当室の核兵器管理システムに侵入したとの報道を紹介しています
このような事態を受け、オバマ政権は中国に強く対策を講じるよう圧力を強めていましたし、パネッタ前国防長官も訪中の際に懸案として話題にしていたところです。
12日付Defense-Tech記事のコメント欄には、「やめろ!警告して中国が止めなかったら、まだ止めないのか、止めろ、と繰り返すだけではないのか」等、米国に次の一歩に関する覚悟を問う意見が見られます。
大切な「経済」絡みですから、米国にも「前のめり」を期待します
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→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1

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