昨年秋ごろから尖閣関連で中国との関係が難しくなってきましたが、同時期に中国経済の成長鈍化や景気後退の傾向が盛んに報じられるようになりました。
中国経済に注目が集まれば集まるほど、特にその勢いが鈍化するほど、中国を巡る各種経済統計のいい加減さが改めて話題になっていますが、2月26日配信の「日経ヴェリタスもやもやトーク」でも取り上げられていましたのでご紹介します
既にご承知のことかもしれませんが、まんぐーすの勉強のため、お付き合いください
地方経済統計の「底上げ」疑惑
●日本では当然、 47都道府県のGDP合計 = 日本のGDP
しかし中国では、31地方政府GDP合計 > 中国のGDP
中国ではその誤差が85兆円規模で、インドネシア一国分のGDPに相当
●中国の31地方政府等の各成長率をランキング表にすると、全国平均の成長率は何位に?
全国平均の成長率は9.2%だそうですが、その数値は下から4番目
(全国平均より低いのは、上海、北京などのみ)
地方政府の申告が正しければ、全国平均は12%以上になるはずが・・・
2001年以降、江沢民が地方政府の評価基準に経済成長率を組み入れ、2002年のWTO加盟で経済統計に注目が集まり始めたことで、地方政府の統計への信頼度は「うなぎ下がり」
失業率は予測「不要」
●中国の失業率は、過去10年間、ずーーっと4%前半。国家目標の4.5~4.7%以下で推移している。
●IMFは、2017年までの世界各国の失業率予測を公表しているが、中国に関してはずーーっと4.1%と単純予測している
(つまり、中国による発表は、実態にかかわらず4.1%だろうとの痛烈な皮肉)
貿易統計も大いに「まゆつば」もの
●本年1月に中国公表の、中国から韓国や香港への輸出の伸びは11.9%(前年同月比)
●しかし、韓国や香港が発表した中国からの輸入の伸び率ははるかに低い数値
所得格差を示すジニ係数(1に近いほど格差大)も?
●本年1月、12年ぶりにジニ係数が発表されたが、08年:0.491→12年:0.474と格差が縮小傾向にあるとの結果が・・
●この数値には中国人学者からも大きな疑問が。中国の一般研究者からは、0.61など0.5以上の数値が出ている
中国首脳も中国経済統計を信用していないとか・・
●首相に就任予定の李国強も「中国の経済指標は信頼できない。私が参考にしているのは電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資額ぐらいである」と発言したらしい、とネット上で報道されている
●香港在住の著名な複数の中国経済ウォッチャーも、「信頼できない」とコメント
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「もやもやトーク」の中では、世界第2位の経済大国として、責任を持って正しい統計発表を期待するとの話になっていましたが、正しい数値を承知していながら公表しないのか、正しい数値を把握できないのか・・・その辺りも気になるところです
恐らく把握できていないんでしょうね・・。
経済関連過去記事:最近の15本
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